「そんな子供がいるの?どうして泣くの?私がママを恋しくなったら、カレンダーに印をつけるの。印がなくなったら、ママが帰ってくるの。ママが働かなかったら、直哉にミルクを買うお金はどこから来るの?いい子じゃないね!」直哉は首を振って、理解できないという様子を見せた。
「そうね、ママもそう思うわ。でも、直哉がママとパパに会いたくなったら、先生に小さなメモを書いてみたら?書いたら寂しい気持ちも消えるわ、いいかしら?」佐藤若菜は息子の頭を撫でながら、彼の思いやりと勇気に安堵した!
というのも、彼女は幼稚園に入園した子供が一週間ずっと泣き続けたという話を聞いたことがあったからだ。
しかし、息子は幼い頃から彼女と離れたり一緒にいたりする生活に慣れていたとはいえ、幼稚園に通うのは初めてのことだった。若菜は多くの資料を調べ、様々な準備をしてきたが、実際にこの日を迎えると、やはり心の中は不安でいっぱいだった。
今日は幼稚園の園長先生と担任の先生と約束した登園日だった。
助手席に座りながら、遠くから園長先生や先生たちが制服を着て、門の前に立ち、登園してくる子供たちを迎えている姿が見えた。とても専門的で親しみやすい雰囲気だった。
「直哉はすごいね、選んだ幼稚園はとっても素晴らしいわ。見て、たくさんの子供たちが楽しそうに登園しているわ!」若菜は小さなバックパックを背負って次々と入っていく子供たちを指さしながら、明るい声で息子に言った。
「直哉はHLDが好き!」小さな男の子はママの膝の上に座り、背筋を伸ばし、両手でバックパックの肩ひもを整えながら、誇らしげに言った。
「うん、ママとパパも好きよ!」若菜は微笑みながら頷き、息子を見る目には励ましの気持ちが溢れていた。
「Goodmorning!」
直哉は幼稚園の制服を着て、幼稚園の統一されたバックパックを背負い、片手には遥からもらったカレンダーを抱え、もう片方の手で若菜の手を握りながら、門で迎えてくれる園長先生や先生たちに大きな声で挨拶した。
「Morning!直哉くん、ようこそ。パパとママにgoodbyeして、先生と一緒に中に入りましょうね!」先生は新入園児だと知り、積極的に直哉の手を取り、優しく声をかけた。