金田鎖は傍観者として、すでにとても辛いと感じていたが、当事者ならなおさらだろう?
林悠は冷川宴を六年間愛し、彼と一年間結婚し、丸七年の時間をかけて、何を得たのか?
冷川宴からの軽蔑と侮りだけだった。
確かにすべては終わるべき時だった。
林悠は涙を拭い、金田鎖に向かって笑顔を作った。
「鎖、あなたの言う通りよ。七年もあれば、人間の細胞は全部入れ替わるのに、どうして私はまだ彼のことを忘れられないのかしら?」
彼女は気持ちを奮い立たせ、自分の未来のために頑張らなければならない。
その後の数日間、林悠は携帯の電源を切り、外界とのやり取りをすべて拒否して、絵を描くことに専念した。
ついに月曜日、彼女は「初恋」をテーマにしたドレスのデザインを完成させた。
彼女はこのデザイン画を持って、会社に行き、自分のために最後の努力をすることに決めた。
会社の入り口に着いたとき、思いがけず林美芝に出会った。
「島子、どうしてここに?」
林美芝は彼女を脇に引っ張って、「あなたのことはまだ会社の上層部と交渉中よ。焦らないで、先に帰って待っていて」
「従姉さん」林悠はスケッチブックを抱えながら、「いくつかのドレスをデザインしたので、利田部長に見せたいんです」
「そう?」林美芝の目が輝いた。「でも利田部長は出張中で、明日の午後にならないと戻らないわ」
彼女は林悠の抱えるスケッチブックを見て、「島子、私が先に見てあげましょうか?」
林悠はちょっと躊躇した後、うなずいた。「はい、お願いします」
彼女はスケッチを渡した。
林美芝はパラパラとめくって見た。「とても良いわ、島子。細部をもう少し修正すれば、利田部長もきっと気に入ると思うわ」
「それは良かった」林悠は喜びを隠せなかった。「ありがとう、従姉さん。じゃあ水曜日にまた来ます」
「うん、私は仕事に行くわね」林美芝はハイヒールで立ち去った。
林悠はスケッチブックを抱えたまま、その美しいシルエットが消えるのを見送った。
彼女の目の奥に一瞬、暗く不明瞭な感情が閃いたが、すぐに身を翻して立ち去った。
アパートに戻った後、林悠はこのことを金田鎖に話した。
「デザイン画を林美芝に見せたの?」
金田鎖の口調には少し呆れた様子があった。
「うん」林悠はうなずいた。