第21章 彼女こそが手段を選ばない腹黒女

林悠はタクシーで直接別荘に戻り、入るなり尋ねた。「旦那様はお帰りですか？」

「まだです。」岡山雲子は恭しく答えた。「奥様は夕食をお召し上がりになりましたか？何か作りましょうか？」

林悠は首を振った。「結構です。お腹は空いていません。」

彼女は階段を上がって荷物を置くと、リビングに戻って待っていた。

冷川宴が帰ってきたらすぐに、林美芝のしたことを伝えるつもりだった。

どれくらい時間が経ったか分からないが、林悠は岡山雲子に揺り起こされた。

彼女はぼんやりと目を開けて、「旦那様はお帰りですか？」

「いいえ。」岡山雲子は困った顔をした。「奥様、上の階で少し休まれては？」

その時、すでに夜が明けていた。

冷川宴は一晩中帰ってこなかった。

以前から冷川宴はよく遅く帰ってきたが、出張以外で一晩中帰らないことはほとんどなかった。

彼は林美芝と一緒にいるのだろうか？

あの生配信を見たのだろうか？

林悠は落ち着かなかった。これ以上待っていられない、冷川宴に直接会って話さなければならない。

「雲子おばさん、ちょっと出かけてきます。朝食は家では食べません。」

彼女は簡単に身支度を整えると、出かけた。

結婚したばかりの頃、林悠はよく冷川氏に行き、冷川宴に手作り弁当を届けていた。

しかし、冷川宴はいつも手つかずのまま持ち帰らせた。

次第に、彼女も嫌われることをしなくなった。

まだ出勤時間ではなかったが、一階の受付はすでに出勤しており、林悠を知っていたので通してくれた。

林悠は慣れた様子で最上階へ向かった。

エレベーターを出ると、誰もいなかった。彼女は社長室へ向かった。

しかし、ドアに着くと中から誰かが出てきた。

なんと林美芝だった。

彼女の髪は少し乱れ、シャツのボタンが数個外れていて、雪のように白い豊満な胸元が見えそうになっていた。

林悠が自分を見つめているのに気づくと、すぐにシャツのボタンを留め始めた。

まるで今起きたばかりのような様子だった。

「島子、どうしてここに？」

林美芝は背後のドアをきちんと閉め、顔に恥じらいの色が浮かんだ。

「冷川宴はどこ？」

林悠は拳を握りしめた。

彼女は冷川宴のオフィスにはベッドルームもあり、彼が時々オフィスで一晩過ごすこともあることを知っていた。

まさか昨夜彼らは…