翌日、林悠の調子は良かった。
心の底から本当に諦めたとき、むしろ全身が軽くなったのだ。
出勤の途中、彼女は冷川宴にメッセージを送った。
【離婚に同意するわ。お金はどうでもいい、手ぶらで出て行ってもいい。別荘はいらない。今夜仕事が終わったら荷物を取りに行くわ。】
二人の思い出が詰まった場所は、彼女一人にとっては牢獄に過ぎなかった。
【協議書を作成して民政局に持って行って。私がサインしたら手続きを済ませましょう。】
文面からは完全に急いでいる様子が伺えた。
冷川宴がそのメッセージを見たとき、胸の中の怒りが爆発しそうになった。
この女は外で誰かと一夜を過ごしただけで、こんなにも急いでこの結婚から逃れたいのか?
愛だの、罪悪感だの、全て嘘じゃないか!
林悠が会社に着くと、二つの大きなニュースを聞いた。