冷川宴が去った後、利田燃がすぐにやって来た。
林悠は冷川お爺さんとしばらく湖畔で過ごした後、帰ることにした。
道中、お爺さんは元気がなく、来た時の興奮は完全に消えていた。
「お爺さん」林悠はわざと彼を喜ばせようとした。「今日は本当にお爺さんのおかげで、久しぶりにこんなに楽しい時間を過ごせました」
冷川お爺さんは振り向いて彼女を見つめ、心配そうな表情で「本当に楽しかったのか?」と尋ねた。
林悠は真剣に頷いた。
この一年間、旅行はおろか、冷川宴とこんなにリラックスして食事をすることさえなかった。
「あの小僧が途中で逃げ出したのに?」冷川お爺さんは考えれば考えるほど腹が立ち、声のトーンも強くなった。
「大丈夫です」林悠は口元を引きつらせた。「時には、結末はそれほど重要ではないんです。過程を楽しめたなら、それで十分満足です」