冷川峰は林悠の頼みを断り切れず、彼女を支えながらエレベーターに乗り、救急室へ向かった。
林悠はまだ非常に衰弱しており、全身がふらつき、いつ気を失ってもおかしくない様子だった。
二人が救急室の入り口に現れると、林深と林美芝がいるのが見えた。
林深はさっと立ち上がり、怒りに満ちた様子で歩み寄ってきた。
冷川峰はその様子を見て心配になり、無意識に林悠を自分の後ろに隠そうとしたが、林悠に止められた。
彼女は首を横に振り、小さな声で言った。「大丈夫よ」
しかし冷川峰には、林深の表情がどう見ても敵意に満ちているように思えた。彼は躊躇いながら林悠を見た。「島子...」
「本当に大丈夫」林悠は力なく冷川峰を押しのけた。
彼女は林深を見て、「おじさん、おばさまはどうですか?」と尋ねた。