冷川峰は一晩中金田鎖に連絡を取ろうとしたが、連絡が取れなかった。彼は何か問題が起きたことを知っていた。
早朝から、彼はまず林悠を慰めに行き、それから戻って金田鎖がどうなったのか確かめようと思っていた。
しかし医務室に入るとすぐに、血の付いたはさみがベッドの脇に置かれているのを見つけたが、林悠の姿はなかった。彼は一瞬で恐怖に凍りついた。
「島子?島子?」冷川峰は外に飛び出し、焦りながら叫んだ。
「兄さん、ここよ」背後から聞き慣れた声が聞こえた。
冷川峰はほとんど小走りで前に進み、無意識のうちに林悠の手首を引っ張って確認した。「どこか怪我したの?」
林悠の反応は淡々としており、声も冷たく澄んでいた。「怪我はしていないわ」
「じゃあ、はさみの血は何なんだ?」冷川峰は信じられず、林悠を上から下まで見た。「島子、馬鹿なことはするなよ!」