第179章 テーブルの上のハサミに目を向ける

車に乗った後、周防遠明は少しイライラした口調で言った。「どうしてこんなに遅いんだ?」

金田鎖は眉をしかめたが、それでも我慢強く説明した。「さっき、ならず者に遭ってしまって。長く待たせてごめんなさい」

「ならず者?」周防遠明は車を発進させながら言った。「なぜ電話してくれなかったんだ?俺が行って、そいつを懲らしめてやったのに」

「大丈夫よ、もう解決したから」二人の関係の行方はまだ不透明だったので、金田鎖は自分がどこに住んでいるか知られたくなかった。

二人は直接遊園地に行き、一日中遊んだが、金田鎖は周防遠明がどこか上の空であるように感じていた。

彼が本当に心から自分と一緒にいたいわけではないと薄々感じた彼女は、帰りの車の中で、自分と冷川廷深のことを話した。

「遠明さん」彼女は口元を引きつらせて言った。「実は、初めて会った時に全部話すべきだったんだけど、ただ...」