ダンスフロアでは、金田鎖と深田確が踊っていた。
金田鎖は大学時代にダンスを習っていたので、上手に踊れたが、深田確も全く引けを取らないことに驚いた。
「深田先生もモテる方なんですね」金田鎖は思わず冗談を言った。
深田確は口元を少し上げ、軽い口調で「誰だって若い時代があるさ」と言った。
「ははは...」金田鎖は完全に笑ってしまった。「深田先生、まだ30歳にもなってないでしょう?なぜそんな老けた態度なんですか」
「若い娘にはわからないよ」深田確は長いため息をついた。「人によっては27歳で既に死んでいて、今生きているのは単なる抜け殻だ」
「ふん!」金田鎖は一顔に軽蔑の色を浮かべた。
一曲踊り終わると、二人は冷川峰を探しに行ったが、思いがけず冷川廷深に行く手を阻まれた。
「冷川さん、何かご用ですか?」金田鎖は一気に深田確の腕を取り、さらに親しげに頭を寄せた。