「林悠、そんなものを甘く見ないで」冷川宴の声はかすれ、心配に満ちていた。
林悠は気にせず、振り返って林美芝の大きなバッグを見つけ、ファスナーを開けた。
「林悠、何をするつもり?」林美芝は思わず緊張した。彼女の商品はすべてその中にあり、林悠に持っていかれたくなかった。「林悠、やめなさい!」
しかし、林悠はすでにファスナーを開け、手を中に入れ、すぐに大量の白い粉を見つけた。
林美芝はさらに激しく震え始め、その物を食い入るように見つめ、目には欲望が満ちていた。「ちょうだい、ちょうだい、一口だけでも吸わせて...」
彼女は理性を失い始め、無意識に林悠に懇願した。
林悠は口元をゆがめた。「つまり、さっきあなたが用意した白い粉はこれなの?」
「そう」林美芝の目は赤くなり、激しく暴れ始めた。「ちょうだい、今すぐちょうだい、お願い、林悠、お願いだから!」
「林悠、何をしているんだ?」冷川宴はさらに焦った。
林悠は相変わらず冷川宴を無視し続けた。
彼女は林美芝の前で袋を開け、林美芝の目を見つめながら、袋を完全にひっくり返し、白い粉を地面に撒き始めた。
「ああああ...」林美芝は瞬時に狂ったようになった。「林悠、殺してやる、殺してやる!」
彼女は全力で暴れ、その物を一口でも吸おうとした。
林悠は立ち上がり、高みから林美芝を見下ろし、まるで犬を見るかのようだった。「お兄さん、彼女を放して」
冷川宴はますます理解できなくなったが、冷川峰は林悠の言う通りに林美芝を放した。
林美芝はほとんど一瞬で飛びかかり、その粉をつかんで強く吸い込んだ。
一瞬、彼女の表情は固まり、何か信じられないものに遭遇したかのようだった。彼女は信じられず、もう一度強く吸い込んだ。
「ゴホゴホゴホ...」林美芝は先ほどの林悠と同じように、激しく咳き込み始めた。
彼女は咳をしながら林悠を見た。「どういうこと?これはどういうこと?」
この白い粉は彼女が欲しかったものではなかった。一体どういうことなのか?
彼女は頭が割れるように痛み、地面で転げ回った。必死に事の顛末を思い出そうとしたが、何が起きたのか分からなかった。
物が入れ替えられていた。でも、いつ、誰が?