第360章 安安という兄ちゃんはとても綺麗だね

託児所の教室の入り口に着くと、岡田詩織は立ち止まりました。「ここです。今は自由活動の時間で、子どもたちは中で遊んでいます。」

林悠は一目見て、同じく約20人の子どもたちがいて、岡田詩織の他に二人の先生がいて、子どもたちと一緒に遊んでいるのが分かりました。

小さな予寧は背が低すぎて何も見えないので、林悠に手を伸ばしました。「ママ、抱っこして。予寧も見たい。」

小さな子は道中、林悠よりも勇敢な様子を見せていましたが、この時はやはり少し緊張している様子でした。

林悠はかがんで彼女を抱き上げ、それから岡田詩織にいくつか詳細な質問をしました。

予寧は大きな目をパチパチさせながら、中にいる子どもたちを見ていました。すぐに、一人の小さな男の子が皆に背を向けて、一人で隅にいるのを発見しました。

「ママ」彼女は突然好奇心を持って尋ねました。「あのお兄ちゃんはどうして他の子と一緒に遊ばないの?」

岡田詩織は彼女が指す方向を見て、声を低くして言いました。「あのお兄ちゃんは自閉症があって、他の人と一緒に遊ぶのが好きじゃないの。予寧ちゃんが中に入ったら、彼を邪魔しないでね。」

「自閉症って何?」予寧はこの言葉を初めて聞いて、大きな目に好奇心がいっぱいでした。「予寧の病気より重いの?」

林悠はもう一度その子の後ろ姿を見ました。その子があまりにも孤独に見えたので、彼女の心は思わず痛みました。

「どう言えばいいかな?あのお兄ちゃんは心の病気なの。私たちの予寧とはちょっと違うのよ。」

岡田詩織は言いかけて口をつぐみ、最後にもう一度注意しました。「予寧ちゃんが中に入ったら、彼を邪魔しないでね。覚えた?」

予寧は頷きました。「覚えたよ。」

問題がないことを確認して、林悠は予寧を下ろし、いくつか注意事項を言ってから、帰る準備をしました。

「じゃあ予寧は良い子にしていてね。ママは夕方迎えに来るからね。」

「うん。」予寧は林悠の服の裾を引っ張りながら、名残惜しそうに言いました。「でもママ、早く迎えに来てね。そうしないと予寧がママに会いたくなっちゃうよ。」

林悠は瞬時に鼻が詰まる感じがして、予寧を幼稚園に送ることを少し後悔しました。