「どうしよう?どうしよう?」林悠は焦りで震えていた。
「慌てないで、予安はまだ遊園地にいるはずだ」深田確はこの時も冷静だった。「こうしよう、君は電話で冷川宴に連絡して、私は遊園地のスタッフを探しに行く。人が多ければ力も大きい、必ず予安を見つけられるよ」
「うん、うん」林悠は焦りのあまり、知らぬ間に涙が流れていた。「深田確、あなたがいてくれて本当に良かった」
「さあ、手分けして行動しよう。携帯で連絡を取り合おう」深田確は予寧を抱いたまま言った。「予寧は私と一緒にいるから」
「うん」林悠は人の少ない場所に行き、震える手で携帯を取り出し、冷川宴に電話をかけた。
冷川宴はすぐに電話に出た。「もしもし?林悠か?」
「冷川宴、あなた...すぐに人を連れて来て」林悠は思わず小さな声で泣き始めた。「予安がいなくなったの、予安が見つからないの」
「慌てるな、まず泣くのをやめて、どこにいるんだ?すぐに人を連れて行くから」冷川宴はすぐに立ち上がり、利田燃を呼んで一緒に出かけた。
「遊園地にいるの。彼を連れ出して遊ぼうと思ったら、彼が私に怒って、走って行っちゃったの。今、見つからないの」林悠の声は極度に悔しそうだった。「私が悪いの、私が悪いの、ちゃんと見ていなかった」
「島子、予安は賢い子だから、きっと大丈夫だよ。すぐに行くから、入口で待っていてくれ」冷川宴はしばらく慰め続け、林悠の感情が落ち着いたのを確認してから、電話を切った。
猛スピードで走り、利田燃は二十人以上の人を呼び、一緒に遊園地へ向かった。
目的地に着くと、冷川宴は車から降りて、林悠が無力に立っているのを見た。彼は思わず心配になり、数歩駆け寄った。「林悠、どうだ?」
「放送で行方不明者のお知らせを流し続けているし、遊園地のスタッフも探すのを手伝ってくれているけど」話しているうちに林悠の目がまた赤くなった。「でもまだ何の知らせもないの」
利田燃は眉をひそめた。「観光客が多すぎます。冷川社長、彼らに連絡して、観光客を避難させましょうか」
「行ってくれ」冷川宴はうなずき、また林悠を見た。「大丈夫だ、あまり心配するな、一緒に探そう」
「ごめんなさい!」林悠は詰まった声で言った。