第51章（二回目の甘さ） 艶やか

夏挽沅は振り向き、笑みを含んだ桃花のような目と向き合った。

後ろの男性は非常に端麗で、高く通った鼻筋の下には、薄い唇に妖艶な笑みを湛えていた。街灯の光が彼の耳元に反射し、黒いダイヤモンドのピアスが輝いていた。

「ありがとう」

夏挽沅は軽く頷いて礼を述べ、何の動揺も見せずに立ち去った。

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夏挽沅がそのまま去っていくのを見て、宣升も引き留めることはせず、ただその場で彼女の後ろ姿をしばらく見つめていた。

脳裏には先ほど挽沅が振り向いた時の、まるで霜雪を含んだような目が繰り返し浮かんだ。宣升はいつも文人たちの酸っぱい言葉遣いを嫌っていたが、この瞬間、かつて見た一節を思い出した。

遠くから望めば、朝焼けに昇る太陽のように清らか。近くで観察すれば、緑の波から現れる蓮の花のように輝く。

動画の中の美人も、通りを隔てたカフェで見かけた美人も、灯りで昼のように明るい市場で、あの冷たい瞳が振り向いた一瞥には敵わなかった。

宣升は今まで一人の女性にこれほど大きな興味を抱いたことがなかった。あの氷雪のように凍り付いた目が溶けた時、どれほど輝くのか本当に知りたいと思った。

一日中撮影をして、夏挽沅はお腹が空いてきた。甘い香りがケーキ店から漂ってきて、挽沅を誘うように店の中へと導いた。

この時間、店内はそれほど混んでいなかった。挽沅はゆっくりと様々な形や色とりどりのケーキを眺めた。それらはまるで工芸品のように美しく作られていた。

前世の夏朝宮殿では、料理人が作る菓子も非常に精巧だったが、材料に限りがあり、これほど多くの味や種類を作ることはできなかった。

ガラスケースの中に精巧に彫られた城、庭園、小さな動物たちを見て、挽沅はとても面白いと感じた。

かわいいピンク色の子豚を見て、挽沅は小寶ちゃんを思い出した。小寶ちゃんはきっとこれが好きだろうと思った。

ちょうどその時、スマホからWeChatのメッセージ音が鳴った。

「どこにいる？」

挽沅の予想外に、それは長い間沈黙していた黒いアイコンからのものだった。

挽沅が撮影現場から帝都に戻ってからは、もう小寶ちゃんとビデオチャットをする必要がなくなったため、君時陵との会話は一ヶ月半前で止まっていた。

「何かあった？」

挽沅は時陵が突然メッセージを送ってきた理由がわからなかった。