第77章 国画入選

ネット上は騒がしかったが、夏挽沅にはあまり影響がなかった。

今の挽沅は、君時陵が彼女に出した宿題に没頭していた。

挽沅が金融に興味を示して以来、時陵は彼女に国際的な最先端理論をいくつか教え、そして「宿題」まで出していた。

パソコン画面に映る膨大なデータを見て、挽沅は少し頭が混乱していた。結局のところ、現代の金融システムをこれほど体系的に学ぶのは初めてだった。

しかし、もうすぐ夏家の事業を引き継ぐことを考えると、挽沅は再び心を落ち着かせて真剣に取り組んだ。

「お嬢様、こちらが夏お嬢さんの新しいプロモーション映像です」

宣升のアシスタントは、宣升がすでに挽沅への興味を失っていることを知らず、以前と同じように挽沅に関するすべてを宣升の前に並べていた。

宣升は放蕩で自由奔放な性格だったが、確かに才能があり、仕事に取り組む姿勢は非常に真面目だった。

宣升は手元の企画書に目を通していたが、アシスタントを止める間もなく、再生ボタンを押した動画が彼の前に置かれていた。

宣升は眉をひそめ、手を伸ばして消そうとしたが、ちょうどその時、動画は天霊姫が初めて林霄と出会うシーンを再生していた。

宣升が初めて挽沅を知ったのは、阮瑩玉から送られてきた盗撮動画からだった。今考えると、あのシーンはおそらく今ビデオで見ているシーンだったのだろう。

しかし、あの時の動画はあまりにも暗かった。今回、プロの照明処理を経て、画面全体が洗練されていた。

街の提灯が幾重にも重なり、紫の衣装に顔を覆った少女が優雅に現れる。その生き生きとした瞳は、まるで春の水をたたえているかのようで、灯りが彼女の目に映り込み、月の光と彼女の瞳のどちらが美しいのか、一瞬見分けがつかなかった。

夜風が小公主様のベールを吹き落とし、美人は玉のごとく、眉目秀麗な侠客と向かい合った時の小公主様の頬を赤らめた眼差しは、画面の外にいる宣升の心までくすぐった。

「ちっ」宣升は鼻先をこすった。本当に美しい、残念だ。

挽沅は氷雪の頂に咲く雪蓮だと思っていたのに、まさか時陵が飼っている金絲雀に過ぎないとは。その金絲雀が金や玉で飾られ、確かに美しくても、所詮は金絲雀に過ぎない。

そう思うと、宣升は動画を消し、もう見る気がなくなった。