第122章（7更） 小寶ちゃんがいない 両親は羽を伸ばす

「こちらへどうぞ、倩秀はなかなか良い発展をしているじゃないか」鄭社長と呼ばれる中年男性は、倩秀の責任者と挨拶を交わしながら、さりげなく夏挽沅に一瞥をくれた。

！！！！

さすが王監督が自ら選んだ人物だ、確かに並外れている。

「いえいえ、雅姿と比べたら、私たちは本当に恥ずかしい限りです」倩秀の責任者は非常に熱心に鄭社長に頭を下げた。

雅姿は国内女性服のリーディングブランドであり、会社の経営陣にも近づくのは容易ではなかった。今日はまさに西から太陽が昇るような出来事だった。雅姿の鄭社長が直接倩秀に来るなんて、責任者は喜びのあまり戸惑っていた。

彼の言葉は決して社交辞令ではなかった。倩秀も業界ではそれなりに知名度のある女性服ブランドだが、雅姿と比べると、あまりにも差がありすぎた。

倩秀は盛世グループ傘下の子会社だが、本社との繋がりはそれほど密接ではなく、いわば養子のような存在だった。君氏グループの嫡系子会社である雅姿と比べると、得られる資源やサポートは遥かに少なかった。

「何をしているところかな？」鄭社長は周囲を見回した。

「イメージキャラクターの試写撮影を行っているところです」

そのとき阮瑩玉も撮影台から降り、鄭社長の方へ歩み寄った。

「鄭社長、こんにちは」瑩玉は最も甘美な笑顔を浮かべた。雅姿ブランドは彼女が夢見ることもできないほどの代理契約だったが、この機会に雅姿の経営陣と知り合えるなら、それもいいことだった。

「やあ、こんにちは。なるほど、倩秀がこれほど重視するわけだ。確かに素晴らしいね」鄭社長は笑顔で瑩玉に頷いた。

鄭社長の褒め言葉を受け、瑩玉は謙虚に微笑んだが、思わず挽沅の方を見て、その目には隠しきれない得意と自慢の色が浮かんでいた。

「鄭社長がわざわざお越しくださったのに、ここは散らかっていますから、オフィスでお話しましょうか」責任者は急いで前に出て、鄭社長をオフィスへ案内しようとした。

「オフィスには行かなくていい。本来は夏お嬢さんを訪ねるつもりだったが、道中でネットのニュースを見て、ついでに寄ったんだ」鄭社長のこの言葉に、皆は驚いた。

夏お嬢さん？

その場にいた全員が思わず挽沅に視線を向けた。