「それでは熱烈な拍手で、『長歌行』のキャストの皆さんをお迎えしましょう!!」
司会者のアナウンスとともに、会場の雰囲気も一気に盛り上がった。
最初に登場したのは主役を演じる秦塢だった。
秦塢は端正な顔立ちで、女性ファンが多く、彼がステージに上がると観客席から悲鳴のような歓声が次々と上がった。
次に登場したのは阮瑩玉で、新進気鋭の人気女優として、瑩玉のファンも少なくなかった。
皆が最も見たかった二人がすでに登場し、司会者が次の紹介をする頃には、歓声はずっと少なくなっていた。
秦塢と瑩玉が最も人気があるため、プロ仕様の撮影機材を持ったファンサイト管理者たちは、すでに大きなカメラを構えて写真を撮り始めていた。
これらのファンサイト管理者たちが写真をウェイボーのファンサイトに送り返し、画像を精密に加工して投稿すれば、大勢のファンを引き寄せることができる。
そのため、彼女たちはカメラを構えて秦塢と瑩玉に向かってシャッターを切りまくり、様々な角度や光の当たり方を探して最高の写真を撮ろうとしていた。そうすることでサイトがより多くのファンの注目を集められるからだ。そのため、夏挽沅が舞台裏から出てくるのにまったく気づかなかった。
「うわっ...」
「なんてこと!!」
突然、周りから息を飲む声が聞こえてきた。秦塢と瑩玉を撮影するのに忙しかったファンサイト管理者たちは一瞬固まり、手元のカメラを一時的に下ろして、隣の人に尋ねた。「どうしたの?」
「あ...あそこ、ステージの上の...うわぁ...」
ファンの指さす方向に目を向けると、ファンサイト管理者たちも同様に息を飲んだ。
!!!!!!!
彼女たちはスターの美しい写真を専門に撮る者として、どれだけの荒波を見てきたことか。しかし夏挽沅の美しさの衝撃の前には、完全に震撼させられていた。
秦塢と瑩玉を撮影すれば、より多くのファンをサイトに引き寄せることができるだろうが、誰が美しいものを好まないだろうか。特に心を震わせるほど美しいものならなおさらだ。
皆は本来、秦塢と瑩玉を撮影するために来たのに、2時間の収録が終わる頃には、メモリーカードは夏挽沅の写真でいっぱいになっていた。