「おい、おい、王プロデューサー、どうしたんだ?そっちから声が聞こえなくなったぞ?」
インターホン越しに、話の途中で突然声が途切れたため、スタッフは慌ててインターホンに問題がないか確認した。
一方、楽屋では、ほぼ全員が手元の作業を止め、角を曲がって現れた夏挽沅をぼうっと見つめていた。
挽沅はミントグリーンの膝丈ベアトップシフォンドレスを身にまとい、胸元の花びら型のデザインが彼女の美しさを際立たせていた。ウエストはきゅっと締まり、手で包めそうなほど細かった。
ドレスの素材は極上で、遠目にはミントグリーンのドレスに淡い水の輝きが見え、近くで見ると、それが生地に施された特殊な水雲の刺繍だとわかる。かすかに浮かび上がる模様は、控えめながらも上品さを漂わせていた。
真っ白なハイヒールが、もともと背の高い挽沅をさらに堂々とした存在感のある女性に見せていた。
髪は花のような形に結い上げられ、同系色の水晶の簪で留められていた。
穆風の卓越したメイク技術により、挽沅の顔の美しさが最大限に引き出されていた。
最も素晴らしいのは、挽沅の衣装のスタイルに合わせて、穆風が彼女の鎖骨に淡いピンク色の牡丹を描き、その上に蛍光パウダーを少し振りかけたことだった。
すらりとした首には細い首飾りが巻かれ、小さなルビーで作られた蝶が、挽沅の動きに合わせて鎖骨の牡丹に絶えずキスをするように揺れていた。
静かに美しいドレスと、鎖骨の上で舞う活気ある蝶の対比が、挽沅全体に神秘的な雰囲気を与えていた。
陳勻は部屋中の静寂を見て内心得意になった。へへ、世間知らずの連中め。
つい先ほど挽沅が車から降りた時、自分もショックでスマホを落としそうになったことをすっかり忘れていた。
「始まりましたか?」挽沅の声が鈴のように響き、部屋の静けさを破った。
皆はようやく大きな衝撃から我に返った。
「こっちだ、ついてきて」王プロデューサーは手を振り、挽沅に自分についてくるよう合図した。
スイカテレビ局で長年働き、数多くのスター、トップアイドル、映画俳優、映画女優を見てきたため、美しさにはもう免疫ができていたはずだった。
しかし、王プロデューサーは今、挽沅から放たれる場を支配するような圧倒的な美しさを実感していた。
この人は必ず売れる。