「そう?昨日はまだ李おかあさんが作った手羽先が一番美味しいって言ってたのに」
夏挽沅に容赦なく真実を暴かれ、小寶ちゃんは心虚になって頬を膨らませた。
「とにかくママが作ったのが一番美味しくて、李おかあさんが作ったのは二番目に美味しいの!」
「小寶ちゃんの高評価ありがとう~~」夏挽沅は小寶ちゃんのふわふわの頭を撫でた。傍らにいた君時陵はその光景を見つめ、目に温かさを湛えていた。
その日、君氏グループの管理職たちがいつものようにSNSをチェックしていると、突然9枚の写真が投稿されているのを見つけた。9枚の写真には、食欲をそそる酢豚や、白くて新鮮そうなエビなどが写っていて、深夜にはとても食欲をそそるものだった。
しかし、たった4品の料理なのに、なんと9枚も写真を投稿するなんて、この人はちょっとおかしいんじゃないかと、皆は心の中でこっそり文句を言った。
そして習慣的にスクロールしようとしたが、何か違和感を覚え、戻って投稿者の名前を確認した。
君社長!
これには皆が動揺した。君時陵はSNSに投稿したことなどなかったのだ。
社長の投稿を見なかったふりをするべきか、それとも何かコメントすべきか?至急回答求む。
皆が迷っている間に、君時陵の投稿にコメントが追加されるのが見えた。
林靖:「奥様はすごいですね、料理がとても美味しそうです。坊ちゃんは幸せ者ですね」
林靖とは何者か?それは君氏グループの風向計だ!!林特別秘書についていけば間違いない!!
そしてすぐに、君時陵の投稿には多くのコメントが追加された。
「とても食欲をそそりますね、9枚では少なすぎるのでは?100枚でも足りないくらいですよ!」
「奥様は本当にすごいですね!」
「奥様が直々に君社長のために料理を作るなんて、奥様がどれだけ君社長を大切にしているかがわかりますね。本当に羨ましいです」
「君社長と奥様の末永い幸せをお祈りします」
就寝前にベッドで横になりながらSNSを見ていた時陵は、次々と流れるコメントを眺め、目に満足の色を浮かべた。
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「今日はどんな人の作品があるんだ?」宣升は会議を終えたばかりで、ネクタイを緩めて脇に投げ捨てながら、傍らの助手に尋ねた。