第191章 (六更)『長歌行』放送開始

週末のことだった。みんなが昼寝から目を覚まし、スマホを手に取って今日はどんな噂話があるのかと見てみると、動画サイトからの通知が目に入った。

「国風武侠の大作『長歌行』が配信開始!扶衣公子の侠義に満ちた生涯を一緒に探索しましょう!」

みんなの眠気はすっかり覚め、これほど長く話題になっていたドラマがついに配信されたのだ。多くのファンは少し不安を抱きながらもドラマを開いた。

バッファリングが終わると、優雅な笛の音とともに、墨が広がる山水画が徐々に人々の目の前に展開された。

墨色に染まる山々の間を、小さな舟がゆっくりと進んでくる。舟の先頭には、凛々しく颯爽とした姿で、背中に長剣を背負った若者が立っていた。

一羽の白鷺が山頂から飛び降り、水面に波紋を広げる。その波紋が広がるにつれ、山々は緑色に変わり、小舟は灰色になり、人物も水墨画から生き生きとしたものへと変化していった。

この出だしだけを見ても、『長歌行』の制作陣が心血を注いだことがわかる。水墨画を媒体として武侠の世界の粋な雰囲気を作り出し、さらに墨風音楽室は近年衰退したとはいえ基礎はしっかりしており、音楽も情景にマッチしていた。

ドラマの冒頭は、多くの武侠小説と同様、暗く風の強い、雷と雨の夜から始まる。主人公の家族が惨殺され、忠実な使用人が命を懸けて主人公を蒼源山に送り届けるシーンだ。

その後、暗いシーンが消え、画風は突然明るくなり、蒼源山の遠景が映し出され、画面に「十八年後」という文字が表示される。

カメラが森の中を移動し、視聴者はまるで険しい山々の中にいるかのような感覚になる。次第に、滝の流れる音が聞こえ、カメラはその音に沿って進み、一つの凧が視界に入ってくる。

制作陣が以前公開したキャラクター紹介映像を思い出し、みんなは主人公と女性が登場するのだろうと予想した。

案の定、カメラが近づくと、山の角から女性の銀の鈴のような笑い声が聞こえ、翠色の衣装を着た田櫻兒がまず画面に登場した。

「師兄、早く走って!もっと高く上げて!」櫻兒は笑いながら、振り返って師兄と呼ばれる林霄に話しかけた。

カメラがさらに近づくと、主人公の林霄が正式に登場した。質素な布の服を着ていても、少年の清々しさと颯爽とした姿が見て取れる。霄は小師妹を優しく見つめ、その目には少年らしい無邪気さが宿っていた。