第216章 君少が惨めに客室に泊まる

君時陵は外で、夏挽沅がどんな状態になっているか様々な可能性を考え、それぞれのケースでどう対処すべきか思案していた。今回の一線を越えた行為で、夏挽沅が彼から遠ざかってしまうことを恐れていた。

一方、浴室内の夏挽沅は、「知恵袋」というアプリを開き、現代の男女関係についての知識を勉強していた。

このアプリは、以前彼女がネットでバラエティ番組の収録経験について調べていた時に、何か分からないことがあればここで検索できると友人に勧められてダウンロードしたもので、実際使ってみるとなかなか良かった。

そこで、先ほどから心が落ち着かない彼女は、検索欄に直接質問を入力し始めた。

「男性と二人きりの時に彼が」と夏挽沅が文字を打ち終える前に、下には既に関連する質問が一連と表示されていた。

夏挽沅はびっくりした。こんなに多くの人がこういう問題に遭遇しているのか。

彼女は「男性と一緒にいる時に彼が我慢できずにキスしてきました、なぜですか?」という質問をクリックした。

この質問には既に千件近くの回答がついていた。

夏挽沅は折りたたまれた詳細な質問内容には注目せず、2万のいいねを獲得したハイライト回答を直接クリックした。

「あら、それって全然普通のことよ。男女二人きりになれば、男性というのはね、雄の動物で、アレで考えるものだから。もし暗い夜に、ちょっと魅力的な女性と一緒にいて、さらに肌が触れ合ったりしたら、我慢できなくなるのは当然のこと。自然な反応だから、深く考えないで。彼はあなたに特別な気持ちはないわよ」

このコメントを見て、夏挽沅の動揺した心は徐々に落ち着いてきた。なるほど、そういうことか。

確かに先ほどは夜も更けて静かで、彼女は寝間着姿だったし、自分もそれなりに魅力的な女性だ。君時陵が一時的に衝動に駆られたのも無理はない。

心の動揺の理由がようやく見つかり、夏挽沅はやっと安心した。

下にはまだ下線があるようだったが、夏挽沅がさらに読み進めようとしたとき、外からノックの音がした。彼女は急いで「知恵袋」の画面を閉じ、ドアに向かって歩き出した。

彼女が閉じてしまったその回答。実はスクロールして下線の後の後半部分を見れば、こんなコメントが続いていた。