第304章 後悔のキス

【前半部分はあなたの意見に同意します。私は特に撮影現場の裏側映像を検索して見ました。ドラマでは沈佩が林霄に片思いしていますが、撮影現場では秦塢が夏挽沅のことを好きなんじゃないかと思います!!】

【いやいや、私はやっぱり夏挽沅と宣升の「真夏の約束」のカップリングの方が似合うと思う】

【もういい加減にしてください。ドラマを見るだけでは飽き足らず、こんな変なことまで考え出すなんて。】

本来はドラマの内容について議論していたのに、いつの間にか話題は変わり、みんなが夏挽沅の様々なカップリングについて議論し始めた。

秦塢と「真夏の約束」の話題を目にした時点で、夏挽沅は「まずい」と思い、テレビを消そうとしたが、君時陵はリモコンをソファに投げ捨て、夏挽沅が触れないようにしてから、彼女の隣に座ってコメント欄を最後まで見届けた。

「やっぱり後悔した」エンディング曲が終わるまで、君時陵はようやく口を開いた。

「何を後悔したの?」

「さっきの選択問題。一つだけ選ばせるべきじゃなかった」君時陵はそう言うと、夏挽沅の顎を持ち上げ、彼女の唇に自分の唇を重ねた。

君時陵の動きは強引で、まるで所有権を主張するかのように、夏挽沅の口腔のあらゆる場所に自分の痕跡を残し、彼女のすべてに自分の気配を染み込ませようとした。

今回のキスは、これまでのどのキスよりも長く、強引だった。夏挽沅が息ができなくなりそうになってようやく、君時陵は深い呼吸をしながら彼女を解放した。

夏挽沅は君時陵の腕の中に寄りかかり、唇は乱暴に扱われた後の潤いを帯びた美しさを放っていた。それを見た君時陵の瞳の色は一層深くなった。

「本当に君を隠してしまいたい」君時陵の中では理性と独占欲が絶えず引き裂き合い、彼は自分が二つに分裂しそうな気がした。

夏挽沅が怒るだろうと思っていたが、予想に反して彼女は君時陵の背中を優しく撫でた。まるで怒り狂った獣を宥めるように、優しい慰めを込めて。

夏挽沅は君時陵との関係をどう扱うべきかまだ決めかねていたが、それは君時陵が彼女にとってどれほど良い人かを知らないということではなかった。そして、彼女は君時陵に対して何も感じていないわけではなかった。少なくとも、彼のキスを拒絶することはなかった。