第311章 衆人の疑念

【うわ、夏挽沅が『月宮の上』に出演するのかと思った。】

【考えすぎだよ。『月宮の上』はあんな大作なのに、夏挽沅が演じるわけないじゃん。確かに天霊姫は上手く演じたけど、そんなに急に出世するほどじゃないよ。】

【小声で言うけど、私は彼女の方が白怜より適役だと思うよ。少なくとも白怜より綺麗だし。】

【今噂を聞いたんだけど、夏挽沅は小規模制作の民国ドラマの脚本を受けたらしいよ。】

【その差があまりにも大きすぎない?もしかして夏挽沅は『月宮の上』に選ばれなくて、仕方なく『月のような霜』に出演することになったんじゃない?】

すぐに『月のような霜』の公式ブログも主演決定の公式発表を出し、みんなが見てみると、本当に夏挽沅だった。

好奇心旺盛なネットユーザーたちは『月のような霜』の制作チームを調べてみたが、男性主演が決まっていないだけでなく、撮影チームもまだ配置されておらず、民国時代の小説を原作としていることが分かった。

民国ドラマは数年前に流行したが、最近では多くのドラマが民国時代を装いながら、実際には現代の恋愛ドラマのような展開で、非常に陳腐なものになっていることに視聴者は気づいていた。

また民国ドラマには特定の時代背景があるにもかかわらず、多くのドラマは視覚的な美しさを追求するあまり、民国時代の衣装を真剣に研究せず、単に洋服やドレスを着せるだけだった。

そのため今では視聴者が民国ドラマを見ると、頭の中に自動的に「陳腐」「粗製乱造」という文字が浮かぶようになっていた。

【うーん、確かに挽沅は『月宮』のような大作には及ばないかもしれないけど、こんな工房ドラマを引き受けて自分を貶める必要はないでしょ。】

【正直に言うと、この監督もこの小説も見たことがない。しかも民国ドラマって。夏挽沅がそんなに悲惨な状況なわけないでしょ。】

【民国ドラマって笑えるね。夏挽沅は勇気があるね。今や民国ドラマの評判がどれだけ悪いか知ってるのに、それでも引き受けるなんて。しかも大監督や大制作もない作品を。本当に彼女の勇気に敬服するよ。】

【やっと好きな女優さんができたのに、自分の評判を大事にしないなんて。もういいや、ファンやめよう。後で心配することになるし。】