第317章 逆転と公式声明

あるゴシップアカウントが、言賜のファンの車が夏挽沅の車と接触事故を起こし、言賜のファンが夏挽沅によって警察署に送られたという情報を流出させた。

そしてそのゴシップアカウントは、言賜のファンの車が道端で変形している写真を投稿した。

ファンたちはそれぞれ独自のコミュニティを持っており、たとえお互いに面識がなくても、皆が言賜のファンであれば、ネット上では見知らぬ人よりも親密な関係になる。多くのファングループでは、お互いを「家族」と呼び合うほどだ。

車がそんな状態になっているのを見て、もともと言賜が『月のような霜』のドラマで夏挽沅と共演することになり、腹に据えかねていたファンたちの怒りに火がついた。

【有名人だからって偉いの????有名人だからって一般人をいじめていいの???】

【夏挽沅はやりすぎだよ、なに?道路はあなたの家のもの???あなたは通れて他の人は通れないの?】

【警察署も笑えるね、事情も確認せずに人を逮捕?逮捕するなら両方逮捕すればいいじゃん?なぜ夏挽沅だけ特権があるの?】

【言賜が夏挽沅のような人と一緒に撮影するのは絶対反対。言賜が降板しないなら、即ファン辞める。】

【あなたたちファンは病気なの?事の経緯も分からないのに何を妄想してるの?うちの沅沅が悪いって決めつけてるの?】

【夏挽沅のファンは出ていけ】

夏挽沅のファンたちがコメント欄で理論的に反論しようとしても、両者の数の差があまりにも大きく、コメントはほぼ一方的な批判状態だった。

挽沅がようやく『長歌行』ドラマで積み上げてきた一般視聴者からの好感度も、この衝突事件でまた失われそうだった。

スターメイキングエンターテイメント会社はネット上の世論をすぐに察知した。現在、会社の広報部は再編成を経て、以前のような混乱した状態ではなくなっていた。

事の経緯を理解した後、会社は安心して静かに世論の発酵を待ち、世論がほぼ沸騰状態になったとき、会社はついに動き出した。

新しい広報部のマネージャーは非常に優れた能力と直接的な性格の持ち主で、警察署から状況証明を入手した後、直接部下に渡した。

「マネージャー、このまま公開していいんですか??」部下は恐る恐る、吐き気を抑えながら尋ねた。

「ああ、公開しなさい」マネージャーは少しも違和感を感じていなかった。