第364章 国籍変更

【えっ？夏挽沅は古琴しか弾けないんじゃなかった？それでも世界音楽コンテストに出られるの？】

【前の人、何言ってるの？古琴がどうしたの？これは私たちの国の文化でしょ。他の国に劣っているわけじゃないんだから、なぜ出場できないっていうの？】

【たぶんここまでが限界でしょうね。結局、外国は私たちの国の音楽に対する偏見がまだまだ大きいから】

【夏挽沅がどんな方法で準決勝に進んだのか誰か知ってる？音楽コンテストがどれだけ難しいか、私たちが知らないとでも思ってるの？】

結局、みんなただ推測しているだけだった。準決勝は一般公開されていないため、みんなは長い間議論しても、ただ出場者リストを見て話し合うだけ。多くの人は夏挽沅が準決勝に進めたことさえ信じようとしなかった。

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控室では、人数が多く待ち時間が長かったため、みんな徐々におしゃべりを始めた。

アジア系の顔立ちをした若い男性が、一人で座っている挽沅に近づき、流暢な英語で話しかけた。「こんにちは、どちらの国からいらっしゃいましたか？寒國ですか、それとも桜花国ですか？」

挽沅は現代に来てから、今は世界がグローバル化している時代で、英語が日常会話において非常に重要だということを知っていた。

最初は小寶ちゃんの入門教材で学び、後には君時陵が与えてくれた英語の原書を読むようになり、挽沅の日常的な聞き取りと読解には全く問題がなくなっていた。

「華国から来ました」挽沅が英語を話すと、その声も非常に美しく、玉の飾りが触れ合うような音色だった。

「華国？」まず挽沅の声の美しさに一瞬呆然とした後、男性はようやく挽沅が言った国を理解し、すぐに奇妙な表情で華国語を話し始めた。

「あなたも？」

「かつてはね」男性はうなずいた。「でも華国の音楽は本当に掘り下げる深さがないから、僕は国籍を変えたんだ。もっと良い音楽を追求したくて」

挽沅はうなずいた。この男性が国籍を変えた行動をあまり理解できなかったが、海外の音楽をより便利に学ぶためなら、それも仕方ないことだった。

しかしこの男性は音楽について話すのではなく、非常に誇らしげに挽沅に国籍を変えた後の状況を紹介し始め、言葉の端々に華国への嫌悪感を漏らしていた。