第365章 予選で超高得点を獲得

「次は106番の選手、夏挽沅さんの登場です。」司会者の声が響くと、舞台に驚くほど美しい女性が歩み出た。

元々あまり興味を示していなかった審査員たちも、夏挽沅の容姿に驚かされた。

華国から来たこの女性は、あまりにも美しすぎた。しかし、なぜこんなに若いのだろう?こんな若さで予選を通過するなんて、とても不思議に思えた。

中には、この大会に何か裏があるのではないかと疑う人もいた。

「皆さん、こんにちは。私は夏挽沅と申します。華国から参りました。これから古琴の演奏をお聴きいただきます。」挽沅は流暢な英語で、舞台上で堂々としていた。

スタッフが挽沅が事前に持ってきた鳳溪琴を舞台に運び込んだ。

席に座っている審査員たちは、基本的に世界の音楽に広く精通している人々で、これが華国の非常に古い楽器であることを当然認識していた。

世界的に人気があるのはバイオリンとピアノであり、皆は古琴という楽器の存在を知っていても、華国人自身でさえ学びたがらないのに、まして外国人はなおさらだった。

これで、皆は挽沅にさらに期待を持てなくなった。結局、華国の古琴が何か特別な成果を上げたという話は聞いたことがなかったからだ。

華国が世界的に有名なのは『二泉映月』という曲くらいで、人々の華国伝統楽器に対する印象は悲哀と沈鬱さだった。

そこで挽沅は逆の道を行くことにした。昨日オーリー音楽学院を散策した時、キャンパスの青空と白い雲を眺め、教会の鐘の音を聴きながら、オーリーに対する初めての印象を心に刻んだ。彼女はその印象を一曲の音楽に仕上げたのだ。

静まり返った会場に、突然低い吟が響き渡った。まるで教会の鐘の音のようで、遠くから伝わってくるかのようだった。

それまで落ち着きのなかった審査員たちも、この音を聴いた瞬間、手元の動きを止めた。

挽沅が白い手で軽く弦を弾くと、古琴本来の荘厳な気品と、挽沅の曲調の軽やかさが混ざり合い、独特の心を引きつける魅力を放っていた。

聴衆は皆、この琴の音に導かれるように、花々が咲き乱れる花畑を通り抜け、露に濡れた芝生を踏みしめ、さらには教会のドームを通して差し込む陽光が体に注ぐ暖かさまでも感じることができた。

いつの間にか、全員がこの静かで美しい境地に引き込まれていた。