第18章 新居

この道中、おばあさんの脅しと真理子の「邪魔立て」により、おじいさんは最終的に自ら三つの約束をすることになった。第一に、もう高い岩を登ったり、深い谷に入ったりしないこと。第二に、これまでおじいさんは貯水池の管理や薬草採りのために夜は家に帰らず、深山に入るときは三日五日と姿を見せなかったが、今後はどんな状況でも必ず毎日一度は家に帰ること。第三に、貯水池の管理の仕事は今年で終わりにし、来年からはもうしないこと!

おじいさんは口では快く承諾したものの、心の中ではこの仕事を手放すことを本当に惜しんでいた。それは彼の親友である佐藤書記が彼のために獲得してくれた仕事で、楽な上に一日で固定の七分の労働点数を稼げ、さらに山に薬草を掘りに行く時間もたっぷりあったのだ。なんて良い仕事だったことか!

彼は少し抵抗してみたが、家の大小二人の女性は言うことを聞かず、二対一で抵抗は無効となった!

佐藤真理子がおじいさんに貯水池の管理を続けさせたくなかった理由は、国の新政策がもうすぐ施行されることを知っていたからだ。遅くとも再来年には、全国の農村で労働点数制度が廃止され、田畑は直接各家庭に請負分配され、農民が自分で田畑を管理し、好きなものを植えられるようになる。おじいさんは薬草に詳しいのだから、家で栽培すれば山に行く必要はなくなるのだ!

一方、おばあさんはただ純粋におじいさんに貯水池の管理をさせたくなかった。年を取ったのに、一人で人里離れた場所に住み、彼の存在を感じられないし、心配で常に不安だった。貯水池の管理をやめさせて、家で生産隊と一緒に働けば、稼ぎは少なくても、家族が毎日顔を合わせられる。

おばあさんの愚痴を聞きながら、おじいさんの顔には再び罪悪感が広がり、完全に黙り込んだ。心の中では考えていた。「せっかく貯めたお金で、涼しくなったらおばあさんを町の病院に連れて行って目の治療をしようと思っていたのに、これですっかり使い果たしてしまった。おばあさんの目はまた治療できなくなってしまった。おばあさんは佐藤二さんの家で十分苦労したのに、今は真理子がいるから、自分に貯水池に住まわせず、普通の家庭生活を送りたいと思っている。これまで必死にお金を稼いできたが、全て佐藤家の兄弟二人の家庭のためで、おばあさんを苦しめてきた。やっとおばあさんのためにお金を貯めて目の治療に行けるようになったと思ったら、またこんなことやあんなことが起きて、ずっと願いが叶わなかった...おばあさんの言う通り、人生あとどれだけ生きられるかわからない。お金が貯まっても人がいなくなったら何の意味もない。だから一緒に寄り添って暮らそう、彼女が幸せならそれでいい!お金については、またゆっくり貯めればいい。家もあるし、真理子の学費もそれほどかからないから、三年か五年で十分だろう!」

おじいさんは牛車を引いて、新しく買った荷物を直接青年宿舎に運んだ。青年宿舎は大きな庭に囲まれ、人の背丈ほどの土壁は灰漆で塗られ、さらに白い石灰水で塗り直されていた。公道沿いにあるため、壁には赤いペンキで標語が書かれていたが、長年の風雨にさらされて跡が薄れ、さらに子供たちが擦ったり落書きしたりして、何の文字だったのか一時的には見分けがつかなかった。

二枚の木の板でできた門はかなり頑丈で、南京錠がかけられていた。おじいさんは鍵を取り出して錠を開け、門を押し開けると、笑顔で大声で言った。「おばあさん、真理子、ここが私たちの家だ、帰ってきたぞ!」

おばあさんは嬉しそうにおじいさんに手を差し出し、真理子が横から支え、三人家族は笑顔で庭に入った。

前世の記憶と同じように、この庭はとても広々としていた。主屋は三部屋、左の翼棟は四部屋で、合計七部屋の瓦葺きの家があった。家と同じ幅の場所はセメントで固められた地面になっており、これが五叔父の奥さんとおじいさんが言っていた「穀物干し場」だった。この穀物干し場は十分に広いため、毎年夏秋の季節には生産隊が稲を乾かす場所の一つとして使われていた。大きな梨の木は庭の右側にあり、木の梨の実はすでに全て摘み取られ、青々とした葉だけが風の中でひらめいていた。

梨の木から七、八歩離れたところには青い石で囲まれた井戸があり、入口の壁沿いには冬青の木が一列に植えられ、枝葉が濃い緑色で、手入れされずに壁を越えて伸びていた。ちょうど外の公道から舞い込んでくる埃を遮るのに役立っていた。主屋に面した壁沿いにはバラが一列に植えられていたが、壁に寄せられておらず、丁寧に組まれた棚に花の枝が這い上がるようになっていた。さらに左側の空き地には二本の金木犀の木と、整然と手入れされ、土塊一つない細かい土の五、六区画の野菜畑を見て、真理子は驚いた。どうやらこの去っていった青年たちの中には、園芸に詳しく、生活態度も非常に真面目な一人か二人がいたようだ。農村に下放されて苦労する日々を送っていたが、嘆きに沈むことなく、むしろ楽しく自分なりの楽しみを見つけて生活していたようだ!

野菜畑の向こうには大きなサツマイモ畑があり、サツマイモのつるは今まさに勢いよく成長していた。畑の周りには丸くて大きな葉を持つ植物が植えられており、蓮田の蓮の葉のように密集していた。それはサトイモだった。

青年たちがどこから持ってきたのか長い石の板で、サツマイモ畑の端まで小道が敷かれていた。そこには三つの小さな瓦屋根の小屋があり、二つはトイレ、一つは風呂場だった。

真理子は四方を見回しながら、おばあさんに説明した。おばあさんもこの庭のすべてに満足していた。

真理子はおじいさんと一緒に七つの部屋を一つ一つ開けて点検し掃除した。翼棟の二部屋だけは壁の灰色の層が少し剥がれていたが、他はすべて良好だった。どうせ全部は使わないので、家族で相談し、その二部屋を倉庫として雑物を置くことにした。各部屋にはベッドフレームがあったので、客室としても使えた。残りの二つの翼棟の部屋は、一つは当面台所として、もう一つはおじいさんが薬材を置くために使うと言い、鍵をかけることにした。

三人は主屋に住み、真ん中の部屋をリビングとし、左右の二部屋は、おじいさんとおばあさんが一部屋、真理子が一部屋を使うことにした。

元々青年宿舎だったので、ベッドフレームは既にあったが、すべて一人用だった。おじいさんは今日買ったばかりのハンマー、のこぎり、釘を使って、その中から木質の良いベッドフレームをいくつか選び、カンカンと音を立てながらしばらく叩いた後、二つのダブルベッドに改造した。彼とおばあさんが一つを使い、真理子がもう一つを使うことにした。おばあさんは子供の寝相は大抵良くないから、ベッドが広い方が良いと言った。どんなに転がっても落ちる心配がない。

おじいさんはそれを聞いて、真理子のベッドに両側にガードレールを付けようとしたが、真理子はすぐに拒否した。十一歳にもなって、どうしてベッドから落ちるだろうか。ガードレールの付いたベッドで寝たら、笑い者になってしまう。

祖父と孫は一人が付けようとし、もう一人が許さず、騒々しく言い争う中、おばあさんのクスクスという笑い声が混じり、静かだった庭は三人によって賑やかになった。

最終的におばあさんが助け舟を出し、真理子は「大型幼児ベッド」で寝る悩みから解放された。

忙しく働いた後、午後五時になった。そよ風が吹いてきたが、庭のセメント地面は一日中太陽に照らされ、熱気を放っていて、庭はまだ少し蒸し暑かった。真理子は井戸の側に行って十数個から二十個のバケツの井戸水を汲み、セメント地面に撒いた。すると暑さがかなり和らいだ。

おじいさんも歩いてきて、この青レンガで築かれた小さな井戸を見て、二、三日後に若い男たちに頼んで井戸を掃除し、井戸水を汲み出して新しい細かい砂利を敷き直すと言った。真理子は元々井戸に霊泉を混ぜようと思っていたが、おじいさんがそう言うのを聞いて、一時的に行動を止めた。

おじいさんは牛車で書記の家に行って荷物を運び、牛車を返した。おばあさんは公社の供銷社で買った二斤の果物飴と市場で量った二斤の炒った落花生とヒマワリの種を取り出し、おじいさんに書記の家の子供たちに分けて食べさせるように渡した。

真理子のために買った豆餅や油団子、開口棗は、帰り道でほとんど食べてしまい、まだ少し残っていた。おじいさんはそのかごを壁に掛け、真理子が食べたくなったら自分で取るように言った。