十月の終わり、真理子が宝珠の異空間に入ると、霊君のぼんやりとした姿はもう見つからなかった。彼の言った通りだった:神識力は百日しか持たず、百日が過ぎれば消え去ってしまうのだ!
真理子は別れを惜しむ気持ちを抱かざるを得なかった。霊君がどんな性格なのかはよく分からなかったが、彼が自分に示してくれた好意は確かなものだった。
これからは、この宝珠の空間には真理子一人だけ。完全に彼女のものとなったのだ。
真理子は空間内で九玄鍛体術を運行させた。霊気は容易に体内に流れ込み、彼女に吸収された。修行を一度終えるごとに、修行レベルが上がる感覚が明らかだった。
霊君はかつて言っていた:宝珠の中には霊泉があり、自然と霊気を生み出して非常に有利な修行環境を形成している。まさに仙人の洞窟と言えるが、真理子はただ空間内だけで修行を完結させるべきではない。修士の最終目的は天命に逆らい運命を変えることであり、修士として様々な境遇を経験し、無数の試練に耐えなければならない。順境も逆境も経験し、それらに対して余裕を持って対応できなければならない。現在の地球の大陸は霊気が希薄だが、ないわけではない。広い世界の中で、真理子は自分の修行に適した場所を見つけることができるはずだ。見つけられれば幸運だし、見つからなければ条件を作り出し、自ら構築すればいい。これは修士に必須の能力だ!
さらに、修行に終わりはなく、宝珠は真理子が頼りにできる後ろ盾であり、それを維持し、多くのエネルギーを蓄えるべきだ。山を頼りに山を食い尽くすような考えを持つべきではない。座して食えば山も空になるという言葉は決して嘘ではないのだから!
道理は単純で、真理子も理解していないわけではなかった。ただ、空間の優れた修行環境を少し贅沢に使いたい誘惑に勝てなかっただけだ。どうせ霊君はいなくなったのだから、自分の判断で少しわがままになってもいいだろう。