第88章 青菜を売る

真理子は河合おばさんに尋ねた。「祝日でもないのに、どうして豆腐を作っているんですか?」

河合おばさんは腰に巻いていた布を外し、誰も入ってこないか玄関を確認してから、神秘的な様子で真理子に近づいて言った。「おばさんは言っても構わないわ、他の人には言わないでね。おばさんには従姉妹がいて、鉱山地区に嫁いでいるの。その夫が最近、労働者の食堂の管理に異動してきたのよ。昨日、河合おじさんが鉱山の供販社に子供たちの靴と靴下を買いに行ったとき、彼に会ったの。食堂で何か整理をしていて、人手が足りなくて豆腐を作る人がいないって。もし家に大豆があれば、作って持ってきてくれれば、適正価格で買い取ると言ってくれたわ!うちの自留地では今年たくさんの大豆を収穫したし、今売っても安いから、この機会に自分で豆腐を作って、少しでも稼げるわ!」

真理子はうなずいた。「そうですね、豆腐作りはそんなに難しくないし、買ってくれる人がいれば、お金を稼げますね!」

河合おばさんはため息をついた。「食堂では新鮮な野菜も欲しいって言ってたけど、残念ながら私の秋野菜はまだ小さくて、食べられないわ。河合おじさんが今、村を回って、どの家に野菜があるか見てるところ…」

真理子は思いつき、すぐに言った。「おばさん、うちのおばあさんに聞いてみたらどうですか?うちには野菜がありますよ。とても元気に育っていて、もう食べられますよ!」

「本当?」河合おばさんは大喜びした。「まあ、思いもよらなかったわ。あなたの家は年寄りと子供だけで、おばあさんの目も…私が小さく見積もりすぎたわ、恥ずかしい!それで真理子、あなたの家にはどんな野菜があるの?どのくらい分けてもらえる?」

真理子は言った。「最初の秋野菜として、青梗菜、小白菜、名古屋青菜を植えています。5、6畝ほどあって、どれもほぼ同じ高さに育っています。まず2、3畝分を収穫できますが、何キロになるかはわかりません。」

「まあ、全部収穫できるの?いつ植えたの?」

「秋田おばさんの家と同じ頃に種をまきました。」

「秋田家の野菜も私のと同じで、あまり高く育っていないわよ。」

「それはわかりません。私は朝晩、水を汲んで菜園に水をやり、おじいさんも時々肥溜めから肥料水をくんで畑にやっています。」