以前、おじいさんと藍沢校長が真理子が五年生に直接入りたいという話をしていたが、ちょうど県の本村にある穀物倉庫に今年新しい倉庫管理人が配属され、別の公社から来た彼は息子を連れてきており、その子も五年生に編入することになった。藍沢校長と五年生の担任の田中建国はその子の成績を測るためのテスト用紙を作成しようとしていたので、ついでにもう一部作成し、真理子にも一緒に解答させた。
試験が終わると先生はその場で採点し、男の子は合格点ぎりぎりだったが、真理子はわざといくつかの問題を間違え、平均点89点を取り、無事に五年生に入ることができた。
校長の褒め言葉を聞いて、おじいさんは嬉しそうに笑い、誇らしげな表情を浮かべた。関口愛子、佐藤霞、佐藤玲子は教室の窓に張り付いて見ていて、結果を知ると喜んで飛び跳ねた。
こうして、真理子の一年間の小学校生活が始まった。
五年生はたった一つのクラスで、四十八人の生徒がいた。その編入生を除いて、みんな同じ村の出身で、ほとんどが互いに知り合いだった。本来なら陰謀や排斥などはないはずだが、このクラスにはまず佐藤素子という生徒がいた。彼女は学業成績が良く、常に上位3位以内にランクインし、特に数学が得意で、数学教師の玉田美珠に気に入られていた。素子は前歯を治すために一時的に休学して学校に来られなかったが、彼女の影響力は小さくなかった。彼女の友人である田中玉子や小林美蓮などが、クラスメイトの間で陰口を広めていた。真理子がクラスに入ったばかりの頃は少し嫌がらせを受けたが、幸い強気な女子クラス委員長の愛子が守ってくれ、霞や玲子もしばしば側にいてくれたので、真理子は比較的気楽に過ごせた。
担任の建国は国語教師で30歳前後、少しおしゃべりだが熱心だった。数学教師の美珠は外見は穏やかだが実際は非常に厳しかった。これらは問題ではなく、教師たちの目には、言うことを聞き、成績の良い生徒が良い生徒だった。真理子はそれを確実に実行するだけだった。
農村では、学校から帰った子供たちは家の手伝いをしなければならなかった。例えば、豚の餌を掘ったり、薪を切ったり、水を汲んで炊事や洗濯をしたり、弟妹の世話をしたり、豚や鶏に餌をやったりと、多くの子は忙しすぎて先生が出した宿題をする時間もなかった。