夜、真理子は全ての宿題を終えると、居間に座って本を読み、おじいさんが帰ってくるまでおばあさんと一緒に待つと言い張った。
おばあさんは説得できず、彼女の言うとおりにするしかなかった。二人は電灯の下に座り、一人は本を手に、もう一人は細い麻縄をより合わせていた。細い麻縄は秋田おばさんのために作っていたもので、何に使うのかは分からなかった。
おばあさんは麻縄をより合わせながら、時々顔を上げていた。真理子はおばあさんがいつも電灯の方を見ていることに気づき、思わず尋ねた。「おばあさん、何を見てるの?」
「何も見てないよ、ただあの辺りに何かあるような気がするだけ」とおばあさんは答えた。
真理子は心が動いた。「おばあさん、あそこには本当に何かあるの?分かるの?それはどんな形をしてるの?」
おばあさんは笑った。「この子ったら、おばあさんがどうして見えるものか。ただあの場所が…もっと明るいような気がするだけよ!」
真理子は手を叩いた。「あらまあ、おばあさん!あの方向は電灯があるところだよ、もちろん明るいわ!おばあさん、光を感じられるようになったのね!」
「まさか?私は…ただあそこが違うと感じただけよ」おばあさんは信じられないように目を見開き、電灯の方を見続けた。「確かに…少し明るいような!」
「少し明るいんじゃなくて、本当に明るいのよ!おばあさん、他の場所も見てみて、早く、比べてみて!」
真理子は二歩跳んでおばあさんの前に来て、興奮して話し、身振り手振りをした。もしこれがおばあさんの頭でなかったら、彼女は手を伸ばしてあちこち向けさせていたかもしれない。
おばあさんは比べてみたが、やはりその場所に明かりがあると感じた。真理子はおばあさんを両側の部屋や台所に連れて行き、電灯をつけ、おばあさんの目が正確に電灯のある位置を向いているのを見て、嬉しそうに笑った!
感動的な瞬間がついに訪れようとしていた!