バスは朝7時に莞市を出発し、終点まで行って市内に戻ってくるものだった。真理子と王丸桂子は午後1時頃に乗車した。車内にはほとんど人がおらず、それでも5時間もかかった。莞市のバスターミナルで降りると、待合室の壁時計を見て、6時だった!
真理子はため息をついた。牛車のスピードを考えると、まあ、このバスの方がましだろう!
ただ、こうなると彼女がお金を工面するのは難しくなった。20元は桂子に取られ、バス代を払っても真理子に返してくれず、自分の懐に入れてしまった。彼女に無理やり返せと言えるだろうか?
この義母はあまり良い人ではないが、生んだ秋田虎たちは素直で可愛い。まあいいか、他の方法を考えよう!
今はどの業界も、街中が国営の看板だらけで、病院のような夜間に当直がある場所や、工場労働者が三交代制で働く場所を除いて、他の店はすべて定時になると閉店してしまう。
薬材買取所も確実に閉まっているだろう。高橋家のような個人経営の場所については分からないが、高橋家には行くつもりはない。おじいさんがつい先日紫霊芝を売ったばかりで、彼女がまた行けば疑われるだろう。
でも薬材以外に、何を売ってお金に換えられるだろう?
果物だろうか?あの桃の林と梨の木は実をつけているが、真理子自身もまだ試していないのに、売り物にする勇気はない。
あれはどんな桃だろう?一つ一つが茶碗ほどの大きさで、ピンク色で瑞々しく、前世で真理子が大好きだった大きな蜜桃でさえその美しさには及ばない。梨も同様に茶碗ほどの大きさで、雪華鴨梨ではなく地元の梨だが、金色に輝き色鮮やかだ……こんな驚異的な果物は、ジュースや干し果物にする以外、真理子は丸ごと出す気にはなれない!
他には飛来峰の裏側の山々にある山ブドウと野イチゴがある。野イチゴは季節外れだが、山ブドウはちょうどよい。一房一房が黒い瑪瑙のように光り、特に清らかな甘さで、果汁たっぷりで、粒の大きさも山で採れるものと同じくらいだ。そしてこの季節、深山の山ブドウはまだ落ち切っておらず、半月前に真理子と仲間たちが山に入った時にいくつか採れたのだ!
桂子を連れて街をぶらつきながら、様々な通行人を見ていると、真理子の心にアイデアが浮かんだ。