第101章 玉田先生の家庭訪問

真理子はおばあさんの目が最近少しずつ物が見えるようになってきていると感じていたが、病院で検査を受ける機会があるのもいいことだと思った。

月曜日の朝、玉田先生は数学の授業を終え、教材を片付けて教室を出ようとしたが、何かを思い出したように足を止め、クラス全員の前で真理子に言った。「明日は火曜日で、私が学校の宿直当番だから、夜は学校に泊まるわ。夕食後にあなたの家に家庭訪問に行くから、ご家族に伝えておいてね。」

真理子は承諾し、自然に誘いかけた。「先生、一人で食事を作るのは大変でしょう。明日の夜、うちで食べていきませんか？」

玉田先生は尋ねた。「これは先生を夕食に招待してくれるの？じゃあ、あなたの家にはどんな料理があるの？」

真理子は指を折りながら数えた。「うちの野菜はもう育ってきていて、名古屋菜、高菜、春菊、レタスなどがあります…」

クラス中が一斉に笑い出し、玉田先生も目を細めて笑った。「いいわよ、そんなにたくさんの野菜があれば十分よ。ありがとうね！」

玉田先生が教室を出ると、関口愛子が駆け寄って真理子の肩を二回叩いた。「あんた、バカなの？玉田先生を何だと思ってるの？野菜だけ食べさせるつもり？鶏肉や魚のことは言わないにしても、豚肉料理も一つもないなんて！」

真理子は無邪気に答えた。「玉田先生は野菜について聞いただけで、肉のことは聞かなかったわよ。あなたこそ食いしん坊ね！」

関口愛子は気絶しそうになり、クラスメイトたちはさらに大きな声で笑った。

真理子は家に帰るとすぐに、玉田先生が家庭訪問に来ることをおじいさんとおばあさんに伝えた。おばあさんは慌てて、先生が夕食に来るかどうか尋ねた。来るなら準備しなければならないと言うが、真理子は来ないと答えた。彼女は玉田先生がただ冗談を言っただけだと知っていた。普通、先生が生徒の家で食事をすることはないからだ。

火曜日の夜、8時過ぎに玉田先生は懐中電灯を持ってやってきた。驚いたことに、彼女に付き添ってきたのは関口愛子だった。

真理子はそれも理にかなっていると思った。愛子の家は学校のすぐ近く、わずか50メートルの距離だ。玉田先生が彼女に道案内と付き添いを頼んだのは、行き帰りに便利だからだろう。