第132章 陰毒

五月、大崎健太と赤井班長がまた来た。健太は真理子に一通の手紙を投げた。「早く見てみろ、読んだら俺にも見せろ!」

真理子はその手紙を裏返したり表返したりして、封筒には「佐藤真理子」という名前だけが書かれているのを見た。自分宛ての手紙なのに、なぜ彼にも見せなければならないのだろう?

「誰からの手紙?」

「俺にもわからないよ。人づてに届いたんだ。開けてみれば、俺が読むの手伝ってやるから分かるだろ!」

「私、字が読めないとでも思ってるの?差出人を見れば分かるでしょ」真理子は彼を白い目で見たが、それでも彼に無理やり長椅子に座らされ、一緒に手紙を読むことになった。予想通り黒田俊均からのもので、一枚の便箋にびっしりと達筆で書かれていた。内容はただ一つ:真理子、県庁所在地に来て中学校に通いなさい。僕が手配するから、おじいさんとおばあさんも一緒に来て。

真理子は言葉を失った。玉田先生は県立中学に行くよう勧めていたが、まだ決めていないというのに、また別の人が勝手に意見を言ってくる。私が年少だからって、みんな私を軽く見てるの?自分で決めるのがこんなに難しいなんて!

健太は手紙を二、三回折りたたんで封筒に戻し、不満そうに言った。「大表兄は何考えてるんだ?俺がここにいるのに、お前が県庁所在地に行って何するんだ?あそこの学校がいいわけじゃない。大事なのは自分で頑張って勉強することだろ!」

「そうよね、私もそう思ってた」真理子は言った。二人がようやく本当に意気投合したと感じた。

「鎌太兄さん、帰ったら大表兄に伝えて:安心して仕事に集中してって。心配しなくていいって。私の進学のことは先生が手配してくれたから、すべて順調よ。私は県庁所在地に行って勉強するつもりはないわ。遠すぎるし、あの場所は私に合わないから」

「よし!そういうことだ。兄貴が転勤しない限り、妹は絶対に彼らについて行かない!」

真理子:……

それはあなたの考えでしょ、私には私の理由があるのよ!