第142章 コンテストに参加する

学校が始まって間もなく、真理子は学生会の文化部員に呼び出され、学校が新しく組織した合唱団への参加を求められた。校内の歌唱選抜大会に参加する準備をしており、勝ち進めば地区大会にも出場でき、入賞すれば母校の名誉になるという話だった。

真理子は学業が忙しいことを理由に参加を断ろうとしたが、その文化部長は諦めず、藤原先生のところまで話を持っていった。

藤原先生は国慶節が近いため、これは上層部が国慶節の雰囲気を盛り上げ、学校の文化体育活動への関心を示すために特別に企画したイベントだと説明した。上級生は学業で忙しいため通常は参加せず、新入生が対象となっている。また、練習は授業時間を大きく占めることはなく、朝読書や夕方の自習時間に行われるので影響は少ないだろうから、参加してみてはどうかと勧めた。

藤原先生の一言で、真理子は学校の合唱団に加わることになった。

関口愛子と佐藤玲子は真理子が合唱団に参加することに少し驚いただけで、彼女に二、三質問した後はそれぞれ自分のことに戻った。クラスの他の生徒たちも特に関心を示さなかった。おそらくこれが優等生クラスの特徴なのだろう。学業成績だけに集中し、目立つことなど誰も気にしない。興味がある人だけが参加すればいい、と思っているのだ。

真理子は文化部員がなぜ自分を選んだのか不思議に思っていたが、リハーサルの時になってようやく理由がわかった。彼女が白いシャツと黒いスカートを持っていることに目をつけられたのだ。公演ではこの服装で出るため、持っていない人は急いで借りなければならなかった!

県内の中学生歌唱コンテストでは、田舎の中学校はほとんど合唱団を組織できず、県内の三つの中学校を含めて合計六校だけが競争した。予想通り、真理子が所属する第一高校が優勝し、地区大会への出場権を獲得した。

また莞市に行くことになった。引率の教師と学生幹部がいるので、真理子は大崎健太に会いに行くつもりはなかった。彼に知らせる必要もない、知ったら彼が来て邪魔をするだけだろうと思った。

コンテスト会場は地区劇場で、大きな官庁街に隣接していた。宿泊先の一つはゲストハウスで、平田県立第一高校の教師と生徒、そして他の数県からの参加者もここに滞在していた。