第205章 急病

昼には二つのテーブルが用意された。田舎の習慣で、貴客をもてなす際には親族が同席して接待する。佐藤書記夫妻と長男夫婦、そして数人の子どもたち、佐藤玲子と彼女の両親、六番目のおじさん夫婦、八番目のおじさん夫婦も来ていた。老若男女が集まり、二つのテーブルは満席だった。

小林柳萍は真理子の家の前にジープが停まっているという話を聞き、赤井班長が塩を買いに来るのを心待ちにしていた。しかし、いつまで経っても彼が現れないので、我慢できずに自分から真理子の家に行ってみると、客人がいることに気づいた。逃げようとしたが間に合わず、大崎健太に「小林村花、そこで待て」と大声で呼び止められた。この呼び方はとても奇妙で、みんなが柳萍を見て笑った。村花は恥ずかしさと悔しさで一杯だったが、怒ることもできず、おじいさんとおばあさんの言うことを聞いて、一緒に食事をすることになった。

料理は豊富で、白切り鶏、煮魚、酸っぱい筍と鴨のスープ、豚の角煮、酸っぱいインゲンと豚バラ肉の炒め物、蒸し腊肉、肉詰め卵包み、麻婆豆腐に加え、数種類の新鮮な野菜料理がテーブルいっぱいに並べられていた。男性のテーブルでは米酒とワインが出され、女性のテーブルにもワインが少し出された。

五叔父の奥さんとおばあさんは田原おばあさんの左右に座り、彼女が農村のこのような賑やかな場面に慣れていないのではないかと心配していた。田原おばあさんは笑顔で言った。「どこが騒がしいの?これは賑やかというものよ。大人も子どもも一堂に会して、見ているだけで喜ばしいわ。私はむしろ大歓迎よ!」

逆に皆に箸を使うよう勧めた。「こんなにおいしいものがあるのに、我慢できないわ。私のことは気にしないで、遠慮はしないから、私が無礼だと思わなければそれでいいのよ!」

客人が気さくだったので、皆もリラックスし、それぞれ自分の食事を楽しんだ。昼食は楽しく満足のいくものだった。

食事の後、柳萍と真理子は一緒に食器を片付け洗った。健太は封筒を取り出し、キッチンに向かおうとしたが、田原青山が彼を呼び止めた。「この娘さんは君の恋人かい?」