第225章 ときめき

「鎌太が俺に反抗してるんだ。もし彼が故意に隠していなかったら、俺が何も知らずにいるはずがないだろう?」黒田俊均は眉をひそめた。「あいつがあちらで面倒を見てくれていると思って安心していたのに、あの小僧は良からぬ心を持っていたとはな!」

三和光太は面白そうに彼を見た。「忘れるなよ、真理子は元々鎌太が路上で拾った妹だぞ。それなのに、お前は何の前触れもなく後から来て、いつの間にか婚約者になっていた...これじゃあ誰だって我慢できないだろう。多少の感情があって当然だ、許してやれよ!」

「誰が何の前触れもなく?誰がいつの間にか?あの日、大きな榕樹の下で会うと決めたのは俺だぞ。真理子はちょうどそこに来ただけだ。彼女はバスに乗り遅れて、行くところがなかった。もし鎌太が彼女に声をかけなかったら、彼女は俺が来るまでそこに座っていただろう!お前たちも皆見ただろう、初めて会った時、彼女は俺だけを信頼していた!それに、お前と正志、鎌太の三人は、真理子が俺の首に何を結んだか目の当たりにしただろう?あんな貴重なものを、本気でなければどんな女の子が惜しげもなく与えるものか?」黒田俊均は落ち着いて言い、顔色一つ変えなかった。

三和光太:……

あの時、彼女はそれが愛の証ではないと言ったし、お前も要らないと言ったはずだ。それなのに後になって渋々身につけて、今になって言い方を変えるとは!

「健康診断の時、お前の身には何もなかったぞ。彼女の愛の証を失くしたのか?!」

黒田俊均は目を伏せた。「俺は心に刻んでいる。戦場で失くしたものだ、彼女は許してくれるだろう!」

「お前という奴は何て運がいいんだ?適当に出会った女の子と、こんな大きな縁を結んで!お互いをよく知らない状態で愛の証をもらい、紆余曲折を経て、本当に正式な婚約者になるなんて!これは不思議すぎる、その女の子に会ったら何があったのか聞いてみないとな。しかし、お前は...お前のやったことを見てみろよ、そんなに断固として勇敢に婚約を解消したじゃないか!」

三和光太は黒田俊均を見て、他人の不幸を喜ぶように笑った。