第316章 鈴木一家

夜になり、杏花は結局、真理子の部屋に泊まることを拒んだ。鵬が泊まっている部屋にはもともとベッドが二つあり、おじいさんとおばあさんが布団を持ち出して、両方に敷いた。杏花は秋田雁子と一つのベッドで寝て、鵬はもう一つのベッドで寝る。おばあさんは真理子に言った。「あなたは誠一さえ泊めたくないのに、そんなに気前がいいわけないでしょう?家に寝る場所があれば、人をあなたの部屋に押し込むことはしないわよ!」

真理子は恨めしそうな目でおばあさんを見た:どうしてそんなことを言うのですか?絶対に私に偏見を持っています!

おじいさんは大笑いした。「今年の秋と冬には薬草の収穫がたくさんあるんだ。サンプルを検査に出したら、うちの薬草は最高品質で、薬効も抜群だと言われた。値段も高く、売れば大金になる。来年の春にはまた植え付けて、他の薬草も次々と収穫できる。こうして続ければ、我が家はたくさんのお金を貯めることができるぞ!ローンを返済したら、あと2、3年で、この敷地に洋館を建てられる。三層でも四層でもいい!そうすれば三男も戻ってこられるし、君たち子供たちは、一人ずつ大きな部屋を持てるようになるんだ!」

鵬と雁子は嬉しそうに手を叩いた。「わあ!私たち、洋館に住めるんだね!」

杏花は興奮した様子で言った。「おじいさん、これからあなたについて薬草を育てます。教えてください、私は必死に学びます!」

おじいさんは笑顔でうなずいた。「いいとも!明日、真理子に彼女の『百草図鑑』を君に渡してもらおう。真理子は賢い子で、図を見ただけで薬草をほとんど見分けられるようになった。君もまず自分で覚えてみて、どうしてもわからなければ、おじいさんが君を連れて行って、承福おじさんに教えたように、一株一株、一枝一葉をゆっくり教えてあげよう。真理子は普段、私の薬材部屋の整理を手伝ってくれて、きちんと整頓してくれる。彼女は大学に行くから、君が代わりに手伝ってくれると良い。やり方を学んでね!それから、おじいさんは明日、藍沢家の娘さんを探してみよう。彼女は藍沢家英といって、卒業後に私たちの村の小学校で教えることになった。真理子が言うには、彼女に家庭教師をお願いして、一年かけて小学校の勉強を補習してもらえば、来年の9月には君も中学校に入れるようになるそうだ!」