第317章 河合俊林

鈴木三男の妻も泣きながら叫び始めた。「そうよ！私の息子は大学生で、もう仕事も決まっているのよ。娘は学校の先生よ。二人とも国家公務員なの。あなたたち、絶対に人違いよ。早く二人を解放して！」

「騒ぐな！」冷たい表情の警察官が叱りつけた。「私たちが暇つぶしでやっていると思っているのか？確かな証拠があるから行動して逮捕しているんだ。さっきも説明したが、何か言いたいことがあれば、警察署に着いてから正式な取り調べの時に言え。今は黙っていろ！お前たち二人も、静かにしろ！」

警察官に睨まれ、鈴木おばさんと泣いている二人の娘は声を抑えた。三男は微笑んでいる私服警官を見つけ、おそるおそる尋ねた。「お偉いさん、杏花は本当に見つかったんですか？」

私服警官は頷いた。「見つかったよ。そうでなければ、どうして人身売買の犯罪組織を壊滅させ、その線をたどってお前たちを捕まえることができたと思う？」

「あの、杏花は元気ですか？彼女は私の孫娘なんです。私たちは彼女を売り飛ばしてなんかいません、本当です！」

「本当かどうかは、警察署で話そう。ただ言えることは、杏花は元気だということだ。彼女は両親と弟妹と一緒にいて、実の祖父母も見つかった。今回の人身売買撲滅作戦では、杏花の祖父母が大きな助けになった。彼らが望んでいたのは、お前たち鈴木一家を必ず逮捕することだった！お前は鈴木三男だな。杏花の祖父母を覚えているはずだ。彼らは佐藤姓で、G県の出身だ。当時、お前と同じ敷地内に住んでいた。彼らは息子の佐藤宝樹を産んだが、生後一ヶ月で、お前と妻に盗まれた。宝樹は玉の鍵を身につけていて、その玉の鍵のおかげでG県で実の両親を見つけることができた。今は家族全員が再会している。しばらくしたら宝樹が戸籍関係の手続きのために戻ってくる。彼の実の両親も一緒に来るかもしれない。お前たちは、彼らと会う機会があるだろう！」

三男は口を大きく開け、顔色が真っ青になり、突然目を上に向けると、ドスンという音を立てて倒れた！

「ああ！人が死ぬわよ！三男、死なないで！あなたが死んだら私はどうすればいいの？」