第338章 荷物をまとめて出発_3

「いやよ！」山田絹子は目を拭いて、泣き出した。「私は女の子で、まだ未成年なのに、一人で外に住むなんてどういうことなの？大叔母さんは冷たいけど、叔母さんまで私のことを心配してくれないの？大叔母さんがこんな小さなことで私を追い出すなんて、もう二度と戻れないってことよ！私を追い出すのは、実際には叔母さんの顔に泥を塗ることなのよ。叔母さん、こんな仕打ちを甘んじて受けるの？」

姪の泣き叫ぶ姿を見て、山田雪琴は胸が痛んだ。しかし黒田源太があれほどきっぱりと言い切ったのだから、おそらく余地はないのだろう。彼女はただ慰めるしかなかった。「絹子、言うことを聞きなさい。考えてみて、私たち山田家では、あなたのお父さんお母さんが長男夫婦で、下の叔父さんたちも皆、あなたの両親の言うことを聞いているでしょう？叔母さんも同じよ。大叔母さんの決定を覆すことなんてできないわ。彼女が言うことに従うしかないの！明日、叔母さんがあなたを連れて外を見に行くわ。あなたがどこに住みたいか、そこに住めばいいの。あなたはまだ東京で勉強できるし、叔母さんは大学まで面倒を見ると約束したわ。良い仕事も選んであげる、将来は…」

「叔母さん、外に住みたくないわ。そうしたら玲子に会えなくなるじゃない！」

「どうして会えないの？叔母さんがあなたに家を借りてあげれば、玲子があなたに会いに行けるわよ」

「うぅぅ！嫌よ…嫌だわ！」

絹子は顔を覆って大泣きした。玲子に会えなくなるというのは口実に過ぎないと言えるだろうか？彼女は黒田邸に住み、玲子と同じ食事と待遇を受け、毎日専用の車で送り迎えしてもらっていた。外では自分も黒田家の孫だと言えば、数え切れないほどの人々が自ら近づいてきて、彼女に仕え、贈り物をしてくれた。玲子の側では彼女は二番手だったが、玲子がいない場所では、彼女も星の如く崇められる中心人物で、高みから一言二言発するだけで皆が従うのだ…黒田邸を離れることは身分と後ろ盾を失うことを意味し、どこへ行ってもそんな特権を享受することはできなくなる。