この数日間、田口優里と田村若晴は病状について話し合い、この岡田羽一にますます興味を持つようになっていた。
だから松下牧野はそう尋ねたのだ。
田口優里は少し戸惑った:「え?それはちょっと...相手とも知り合いじゃないし、会ったら...何を話せばいいの?」
田村若晴も言った:「手術の時に会うでしょ。いくら話しても、結局は手術台で真価が問われるわ」
実を言うと、岡田羽一という人物は神がかり的に素晴らしいと持ち上げられていたが、二人の心の中では少し疑わしいと思っていた。
だから、実際のレベルがどうなのかは、手術台に上がってみないとわからない。
術前に会う必要はないだろう。
しかし野井北尾は言った:「彼は本当に実力がある。会社のあのプロジェクトは彼がリードしているだろう?でも彼は一番若いのに、40代50代のすでに名の知れた研究者たちも、彼の言うことには従っているんだ」
「それは実力があるということだね」松下牧野は言った:「彼らのような人たちは、年齢や経歴に関係なく、強い者が尊敬される」
こんなに話しても、岡田羽一が実際どうなのかは、手術が行われていない以上、この件は疑問符のままだった。
手術当日、松下牧野は自ら彼を院長に引き渡した。
院長もまた自ら彼を手術室に案内し、看護師長に引き継いだ。
看護師長は二人を連れて手を洗い、着替えさせた。
完全武装だ。
全員が同じ姿で、手術着を着て、マスクと帽子をつけている。
顔見知りならまだいい、体型と目だけで人を見分けることができる。
普段あまり交流のない人なら、こうして見ると、誰が誰だかわからない。
しかし執刀医が歩いてくるのを一目見た時、田村若晴は呆然とした。
以前、田口優里は彼女をからかって、岡田羽一は若くして成功し、野井北尾によれば見た目もなかなかだと言って、田村若晴に何か思うところはないかと尋ねたことがあった。
田村若晴はそういう学者タイプの古風な男性に対しては敬遠するタイプだった。
だから当時彼女は直接「ありえない!絶対にありえない!」と言った。
しかし今、手術着を着ていても広い肩と細い腰の高身長の男性を見て、田村若晴はごくりと唾を飲み込んだ。
あの目は、彼女はたった三回しか見たことがなかったが、忘れられなかった。
優しく、冷たく、一見矛盾する言葉なのに、不思議と融合していた。