第492章 夜の魅力

田口優里はしばらく反応できず、ぼんやりと尋ねた。「何を試すの？」

野井北尾は彼女を見下ろし、唇の端をわずかに上げ、魅惑的な眼差しで言った。「どう思う？」

田口優里はいつも野井北尾の容姿に弱かった。

彼女にとって、野井北尾は最も美しい人だった。

彼の顔の特徴はどこを見ても完璧で、その顔だけで彼女をめまいがするほど魅了することができた。

田口優里は自分が野井北尾を見るとき、フィルターがかかっているのかもしれないと感じていた。

結局は自分の愛する人だから、どう見ても素敵に見える。

今、野井北尾は彼女に男性の魅力を放っていて、まるで羽を広げた孔雀のようで、田口優里はそれに抵抗できなかった。

田口優里は思わず彼をうっとりと見つめた。

野井北尾は彼女をそっとベッドに寝かせ、すぐに覆いかぶさった。

田口優里の妊娠前から、今や野井純奈が四ヶ月以上になるまで、二人は半年以上親密な関係を持っていなかった。

普段はキスやハグなどの小さなスキンシップは多かったが、正直なところ、出産前は野井北尾は欲望を抑え、田口優里が不快に感じないようにしていた。

出産後は、田口優里の体が許さなかった。

そして今、野井北尾は心理的な障壁を持っていた。

田口優里はどこかの本で読んだことを思い出した。幸せな結婚には三つの要素が必要だと書かれていた。

感情的な基盤、経済的な基盤、そして調和のとれた夫婦生活。

どれも欠かせない。

野井北尾が以前心理的な障壁を持っていたとき、田口優里はそれが大したことだとは思わなかった——少なくとも彼女にとっては、それが彼らの夫婦生活に影響を与えるとは思えなかった。

しかし、田口優里は木の人形ではなく、野井北尾が彼女にキスしたり触れたりすれば、彼女も反応しないわけではなかった。

しかし彼女は野井北尾の体のことを考えると、それを表に出すことができなかった。

要するに、この期間、二人とも少し辛い思いをしていた。

今、野井北尾が彼女の上に覆いかぶさり、田口優里の心臓はドキドキと乱れ、まるで初めての時のように緊張と期待を感じていた。

野井北尾のキスが彼女の耳たぶに落ちた。「優里ちゃん……」

田口優里は彼の首に腕を回し、目を閉じて彼との肌の触れ合いの心地よさを感じた。

「手伝ってくれないか？」

野井北尾の低く掠れた声が耳元で響いた。