第18章 私は妖艳が好き

涼宮陽子は痛みに耐えながら、優しい声で言った。「大丈夫よ、敏子。病院に連れて行ってもらえる?」

川木信行は片膝をついて、涼宮陽子の足首を見た。ひどく腫れて赤くなっていた。彼は立ち上がり、彼女を抱き上げた。「僕が連れて行くよ」

涼宮陽子は可哀想そうに首を振り、目を赤くして哀願した。「ダメ、あなたが今夜パーティーを離れたら、おばあさまが知ったら私のせいにするわ」

「陽子さん、こんな時にパーティーなんて気にしてる場合じゃないわ。奥田さんに自分で対応させればいいじゃない」川木敏子は嘲笑うように言った。

奥田梨子は見て見ぬふりをした。彼らのイチャイチャを見たくなかった。冷たく言った。「涼宮さんが自分から私の腕を引っ張ったのよ。私が離れようとしたのに、彼女が引っ張って、自分で転んだの。私に何の関係があるの?とにかく、私は故意に彼女を押したわけじゃない」