朝早く目が覚めると、奥田梨子は悪い知らせを聞いた。
畑野さんが彼女を漢方医に連れて行くというのだ!!!
「行かない、漢方薬を飲むのは嫌い、匂いが良くないし、味も本当に耐えられない」
奥田梨子はだだをこねて枕を抱えソファに座った。
彼女は肌色のシルクのパジャマを着て、細い腰に豊かな体つきをしていた。
彼女は着替えようとしなかった。
畑野志雄は医者に行く必要があるのにこんなにだだをこねる人に出会ったことがなかった。「……飲んだ後にキャンディーを一つあげる」
「いらない、匂いを嗅いだだけで飲めない」奥田梨子は言い、さらに付け加えた。「飲んだ後にキャンディーって、私をまだ三歳の子供だと思ってるの?そんなに簡単に騙せると?」
彼女は確信を持って言った。「苦いものを先に、甘いものを後にするのは好きじゃない」