第108章 勃起不能になった

ほんの短い時間。

涼宮陽子は川木信行の返事を聞くことができなかった。

彼女の心は沈み、声は震えていた。「この質問に答えるのはそんなに難しいの?もし気持ちが変わったなら、言ってよ!」

涙が情けなくも流れ出した。

川木信行は振り向き、陽子を見つめ、冷たく言った。「僕はもう勃たないんだ。」

「?」

涼宮陽子の悲しみと怒りに満ちた表情が突然凍りついた。

しかし彼女は突然笑い出した。「そんな言い訳で私を騙そうとしないで。」

元気だった人が、どうして突然勃たなくなるの?

誰を騙すつもり!

川木信行の表情は淡々としていて、ただ陽子を見つめるだけだった。「ごめん。」

涼宮陽子は彼の目をじっと見つめ、その中から嘘の痕跡を見つけようとした。

「本気なの?」

「うん。」

川木信行は本来お風呂に行くつもりだったが、一時的にそれも止めた。彼はライターを取り、タバコに火をつけ、少し投げやりな様子で「本当だよ」と言った。