川木敏子は今朝、最も早い便で帝都市へ直行した。
彼女は飛行機を降り、タクシーに乗って、森田財団へ直行した。
警備員に止められ、中に入れなかった。
川木敏子は歯を食いしばり、山田青子に助けを求めることにした。
昨夜の深夜、山田青子は奥田梨子が森田財団の会長に就任したというニュースを川木敏子に転送した。
川木敏子はそのニュースを見て激怒した。
彼女の現在の生活は以前と大きく異なっていた。
以前は外出すれば川木家のお嬢様として、ほとんどの人が彼女をちやほやし、彼女の言うことを聞いていた。
今では高級ブティックにも入れず、そんなに多くのお金を持っていなかった。
川木敏子は今住んでいる部屋を見た。部屋はシンプルで、広さも大きくなかった。
以前の川木家は深谷市では上流階級の家族だったが、今の川木家は三流以下の家族に没落していた。