第178章 写真

「森田財団は今朝ニュースを発表し、新しく就任した会長は奥田梨子だ。」

木場左近はタブレットを回転させて畑野志雄に見せた。

「明晩、森田家はスペイホテルでパーティーを開催する。これが森田家の招待状だ。」

「招待状はそこに置いて、先に出ていけ。」

畑野志雄は自分の激しい感情を抑えていた。この怒りは自分自身に向けたものであり、奥田梨子に対してではなかった。

森田綺太！

彼は唇の端を引き攣らせ、冷笑した。

＊

金城家も招待状を受け取っていた。金城家は通常パーティーに出席することはないが、主催者は礼儀として金城家に招待状を送っていた。

金城夫人は実は森田家の嫁に興味があった。彼女は森田綺太と畑野安子のことを知っていた。

こんなに長い年月が経ったとは思わなかった。

森田綺太はついに畑野安子を忘れ、妻を娶ったのだ。

彼女は奥田梨子に興味があったが、パーティーに参加したいとは思わなかった。

山田青子は金城夫人の隣に座り、彼女も森田家の招待状を見ていた。

森田財団についてのニュース。

彼女は今朝もそれを見ていた。

笑うべきか嫉妬すべきか分からなかった。

笑うべきは、畑野志雄が奥田梨子を何年も探していたのに、彼女が宿敵と結婚していたということだ。

嫉妬すべきは、奥田梨子が一気に森田財団の会長に出世したことだ。

この女性は本当に運がいい。

「ママ、明晩の森田家のパーティーに行かれますか？」山田青子はアルバムをめくる動作を止め、顔を向けて尋ねた。「もし行かれるなら、私も連れて行ってもらえますか？」

「行きたいの？」

「はい、私は...奥田梨子、つまり森田家の嫁を知っているので、彼女に会いに行きたいんです。」

「そうだったのね。行きたいなら、明晩行きましょう。」

「ママ、本当に優しいですね。」

山田青子は微笑み、アルバムをめくり続けた。

この古いアルバムは金城夫人が結婚した時に実家から金城家に持ってきたものだった。

アルバムには主に金城夫人の幼少期から成長までの写真が入っていた。

「ママ、本当に小さい頃から美人の素質がありますね。」

山田青子はアルバムをめくりながら言った。ある写真を見たとき、彼女は突然止まった。