第201章 蜜を塗った

奥田梨子はクルーズ船から降り、車に乗り込んだ。

すでに車の中で彼女を待っていた畑野志雄は、彼女の肩にコートをかけた。

彼は彼女の手を触ってみた。

手は少し冷たかった。

畑野志雄は車のエアコンの温度を調節した。

奥田梨子が車に乗るとすぐに、畑野志雄の彼女が寒くならないようにする一連の行動を享受した。

彼女は魅力的に微笑んだ。

彼女は笑ったが、畑野志雄は笑わなかった。

彼は笑うどころか、瞳の色が深く沈んでいた。

畑野志雄のこの様子は少し変だった。

奥田梨子は不思議そうに彼を見つめ、手を伸ばして彼の手を握った。「どうしたの?」

何もなかったのに、急に変わってしまって…..

男は突然彼女を抱き上げ、彼女の足を開かせて、彼の膝の上に座らせた。

この期間、畑野志雄は奥田梨子に対して穏やかで優しく接していた。

失って再び得たもの。

彼は彼女をいつでもどこでも自分のベルトに繋いでおきたいという欲求を抑えていた。

今夜、もし彼がクルーズ船に遅れて行っていたら、彼女に何か起こっていたかもしれない?

この出来事は、彼が心の奥底に押し込めていた不安と支配欲を呼び起こした。彼女が常に彼のそばにいてこそ、安全なのだ。

しかし彼は彼女が束縛を嫌うことを知っていた。

彼は彼女をしっかりと抱きしめ、顎を彼女の肩に乗せた。

奥田梨子も畑野志雄の異常な感情に気づき、手を上げて指を彼の髪に差し込んだ。

「畑野さん、どうしたの?」

「君のことが心配なんだ。」

私の見えないところで何か起こるのではないかと心配している。

五年間絶え間なく探し続けた不安が、彼の心に深く刻まれていた。

奥田梨子は少し考えて、畑野志雄が何を心配し恐れているのかを理解した。

彼をどう慰めればいいのかわからず、ただ彼の唇に触れた。

この瞬間、畑野志雄は再会してからのこの期間の優しさを脱ぎ捨てた。

車の防音効果はあまり良くなかった。

奥田梨子は彼の服を噛み、恥ずかしい声が漏れないようにした。

畑野志雄は今回非常に奔放で、まるで彼女を自分の血肉に揉み込むかのようだった。

幸い、彼はまだ彼女を傷つけないようにする分別があった。

ふわふわと雲の上にいるような感覚。

彼女は腰を上げて離れようとしたが、また彼にしっかりと押さえつけられた。

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