二人が旅館に着いたとき、階下の売店で花火と一つのライターを買った。
二人が部屋を借りて、さらに花火を買うことで自分に少し儲けさせてくれたからか、女将の二人に対する態度も少し良くなった。
彼女は言った。「二人で遊ぶのが退屈だと思うなら、スーパーの近くに行くといいわよ。あそこにはたくさんの子供たちがいるから」
二人は彼女にお礼を言い、子供たちと遊ぶなら何かプレゼントを用意しないといけないと思い、さらにいろいろな種類の小さな花火を買い足してから、三輪車に乗ってスーパーの近くへ向かった。
スーパーの斜め向かいには小さな寺院があり、地元の人々はとても信心深く、一定の距離ごとに小さな寺院があって人々が参拝できるようになっていた。
この時間、小さな寺院の中には線香を焚いて仏を拝む大人が多くいたが、寺院の門前には花火で遊ぶ子供たちが集まっていた。
二人が四つの大きな袋に入った花火を持って子供たちの中に入ると、子供たちは純真な大きな目で二人をじっと見つめた。
お正月でさえ、親は子供にあまりお金をかけて花火を買い与えることはしないので、四つの大きな袋に花火を入れた二人は、子供たちの目には、まるで大金持ちのような存在だった。
古川真雪は彼らにじっと見られて少し笑いたくなった。「みんな、お兄さんとお姉さんと一緒に遊ぼう」
子供たちは動かず、その場に立ったまま顔を見合わせ、行くべきかどうか互いに尋ねているようだった。
ついに、一人の小さな男の子が二人の前に歩み寄り、少し恥ずかしそうに尋ねた。「お姉さん、花火がほしいな」
真雪は袋から一束の花火を取り出し、十本束ねられた花火を小さな男の子に渡した。「気をつけて使ってね」
小さな男の子は花火を受け取り、真雪に向かって友好的でありながらも恥ずかしそうに笑った。「うん、ありがとう、お姉さん」
小さな男の子が花火をもらったのを見て、他の子供たちも一人ずつ前に出て、おとなしく列を作って二人が花火を配るのを待った。
すべての子供に花火を配り終えると、二人の手元には半分の袋の花火しか残っていなかった。
ある子供が花火を地面に置き、素早く火をつけてから、子供たちの群れに戻った。
点火された花火は噴水のように吹き出し、華やかに咲き誇る花のように、暗い周囲を明るく照らした。