第064章:世論は再び久保清森に偏る。

クリスマスの日、古川真雪は起きて中島黙と一緒に朝食を食べた。二人は老生横丁をぶらぶらして、その後一緒に映画を見に行く予定だった。

しかし朝食を食べ終わり、二人が老生横丁に向かう途中、黙は兄から電話を受け、家に急用があるので一度帰らなければならないと言われた。

仕方なく、二人は元の計画をキャンセルし、車で賀成市に戻ることにした。

黙は真雪を家まで送った後、急いで自分の家に戻った。

真雪は家に帰って荷物を置くと、綾部久辰に電話をかけた。

電話は長く鳴り続け、真雪がもう切ろうとした時、向こうから久辰の朦朧としてぼんやりした声が聞こえてきた。「あぁ、姉さん、どうしたの?」

声を聞いただけで、真雪はこいつが昨夜また遊び歩いて酔っ払ったに違いないと察した。

「家にいる?ブルースを迎えに行くわ」

「ブルース?何のブルース?」

言葉が終わるや否や、まだベッドに横たわっていた久辰は急に目が覚めた。彼は咳払いをして、干笑いを一つ漏らした。「へへ、姉さん、あのブルースは...清森に連れて行かれたよ?」

「何ですって?」

真雪が自分の行動に不満を持つのではないかと心配して、彼は急いで説明し始めた。「姉さん、僕は絶対にわざとブルースの世話をしなかったわけじゃないよ。ただ、突然ブルースを預けられて、僕も集まりをキャンセルできなくて、だから...この策に出たんだ」

真雪は久辰を責めることはなかった。結局のところ、この件は彼女が事前に連絡しなかったのが原因だった。そのため彼女は頷いて、「うん、わかったわ。じゃあ切るね」と言った。

「あの、姉さん...」

真雪が電話を切ろうとした時、久辰は突然焦った様子で彼女を呼んだ。

「うん、どうしたの?」

「あの...君...あの...僕...つまり...」

彼はもごもごと半分言葉を濁し、何も言い出せなかった。真雪は思わず目を回し、いらいらして急かした。「結局何が言いたいの?」

久辰は深呼吸をして、やっと長い間溜め込んでいた言葉を口にした。「君と黙先輩は、付き合ってるの?」

「何言ってるの?」

「昨夜投稿したウェイボーはそういう意味じゃないの?」

真雪は思わず目を回した。「考えすぎよ、そんなことないわ」