もし彼が自分で送ったのなら、どこからあれらの写真を入手したのだろう?もしかして彼は夏目宣予を監視しているのだろうか?
一つの疑問に答えると、さらに多くの疑問が心に浮かんできた。
古川真雪はこれ以上考えるのをやめ、再び本に注意を向けた。
久保清森も先ほど本棚から取り出した本を読み始めた。時折顔を上げて真雪の方を見ると、彼女の顔に浮かぶ穏やかで優しい笑みが目に入った。彼の胸は彼女の存在と笑顔で満たされ、充実感と幸福感に包まれていた。
五度目に顔を上げ、真雪を深い愛情を込めて見つめた時、彼はついに我慢できずに彼女の名前を呼んだ。「真雪」
「うん?」
真雪の視線は本から離れることなく、喉から非常に柔らかい声が漏れ、そして清森の次の言葉を辛抱強く待った。
清森は少し体を傾け、右肘を貴妃椅子に置き、真雪から目を離さなかった。
「僕は君が好きだ。付き合ってほしい」
彼の澄んだ心地よい声が静かな書斎に響き、言葉には真雪への思いが隠されていなかった。
真雪はページをめくる手の動きを少し止め、ゆっくりと目を上げて誠実さと決意に満ちた表情の清森を見た。
少し躊躇した後、真雪は興味深そうに本を置き、体を起こして足を組み、カーペットに座っている清森を見下ろした。
「清森、あなたは私のどこが好きなの?」
「うまく説明できないんだ」
時に感情は「情は知る所以なく、一往にして深し」という言葉通りになる。ある人を好きになると、具体的に何が好きなのか言えないことがある。なぜなら、彼女の笑い声や欠伸をする小さな仕草まで可愛いと思い、すっぴんの顔も薄化粧の顔も、自信に満ちた言動もすべて魅力的に感じるからだ。
清森と真雪は知り合って約12年になる。彼は彼女の最も美しい姿も見てきたし、疲れ果てて惨めな姿も見てきた。
彼は彼女が人前で強がる姿も見てきたし、プライベートで全ての防御を解いた時の脆い姿も目撃してきた。
彼女の姿は彼の心に深く根付いていた。彼は彼女が好きで、その好きという気持ちは習慣のようなもの、やめられない、断ち切れない習慣だった。ただ、以前の彼はそれに気づかず、彼女が去った後になって初めて気づいたのだった。
「清森、好きな女性と付き合うということがどういう意味か分かっている?」